「ロボコップ(1987)」感想。まずバイオレンス描写が話題になるが、シナリオの完成度が無茶苦茶高い!

ラ行
引用元 ザ・シネマ

ポール・バーホーベン監督の悪趣味とエンタメが見事に融合された傑作SFアクション。


この作品、不思議と見る度に評価が上がる。

まあ、パッケージを見ると、ただのイロモンだもんな。




今回見直してみて、後半のプロット展開に唸りました。

加えてこの監督特有の残酷で下品な描写が心地いい。



公開当時は名作とまでの扱いはされてなかったけど、私的には80年代アクション映画では三本の指に入る。

他は「ターミネーター」と「ダイ・ハード」ね。
どれも脚本が良い!





ネタバレ度60%
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粗筋

殉職したマーフィー(ピーター・ウェラー)は全身サイボーグのロボコップとして生まれ変わる。

ロボコップは自分を殺したクラレンス一味を追うが、その背後にはロボコップを創り上げたオムニ社がいた。

分析

ロボコップになったマーフィーが街の平和のため、活躍する前半。


この活躍と並行して、ロボコップを作ったオムニ社の派閥問題が同時に描かれるのがミソ。

対立するのはロボコップを推進するボブと、「ED-209」という名のロボットを推進するリチャード副社長だ。



そしてちょうど映画の中盤でボブが殺される。
リチャードが向けた殺し屋によって。

そしてこの殺し屋こそ、マーフィーを殺したクラレンス。

ここ、マーフィーを殺した者と、ボブを葬った殺し屋を同じクラレンスにしているのがポイントです。
見ててちょっとご都合主義と言うか、違和感を感じたんだけど、プロットがすっきりするのは確か。

おかげで後半のプロットは怒涛の展開ですよ!



ロボコップはクラレンスを捕えて、黒幕がリチャード副社長だと知る。
そしてリチャードの元に向かうんだけど、オムニ社の人間は逮捕できないとプログラムされており、手を出せない。


味方である警官たちに包囲され、一斉射撃されて大ピンチに。
そこへ生前の相棒、アン・ルイスが助けに来て、何とかその場を脱出する。


いいですね、味方である警官に襲われるデビルマン的悲哀と、昔の相棒に救われるという待ってました的展開!






アツいぜ。




今までの下品な描写が嘘のようだ。



逃げ切ったロボコップは修理し、最後の対決に備える。
この間、記憶が少しずつ甦ってくる。
家族がいる事も相棒アンから聞いて知るんだけど、家族との過去とか一切描かないのが潔い。

これが80年代アクション映画の特徴。
とにかくシンプル。


気遣うアンに「一人にしてくれ」と一言。

ここもいい!


ロボットなのに感情を持つ悲哀。
いいですね、バーホーベン監督、わかってる!



そしてクライマックス。

副社長と繋がっているために何事も無かったように釈放されているクラレンス一味との対決。

オムニ社に乗り込んでのロボット「ED-209」との対決。

そして逮捕できないようプログラムされているど悪党副社長リチャードとどう対峙するのか?



どうですか、このトリプルコンボ! 



バーホーベンの残酷描写に隠れてるけど、素晴らしい脚本だよ!

興奮とカタルシスしかない!


更に言うと、映画を締めくくるロボコップの台詞も良い!


この一言のためにこの映画はあったんだ!という気持ちにさせる。



以上です。だから私は感動しました。



舞台が工業都市、デトロイトってのもいいですね。
デストピア的な、退廃した雰囲気が出てる。



この作品以降もバーホーベン監督は、多くの傑作を撮っています。

誰にでも推せるという作品は無いけどね。


「スターシップ・トゥルーパーズ」とかいいよ!


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