「コマンドー(1985)」感想。伝説の吹き替えも含めて、面白ければいいんだよ精神が凄いザ・80年代アクション映画!

カ行
引用元 映画.COM

シャワちゃんの代表作の一本です。


今回、午後ローで放送されたものが伝説的な人気を誇る平田勝茂さん訳の吹き替えだった事もあって観賞したんですが、やはり面白い。


噛めば噛むほど味が出る、アクション映画としては不思議な映画です。


ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。

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分析

元コマンドーのシュワちゃんが、誘拐された娘の救出に大暴れというストーリー。



この脚本でまず目を見張るのが、起承転結の「転」が無いという事。


起承結です。


娘が誘拐される、助けに行く、助ける。

それだけ。



シュワちゃんの意外な過去とか、娘との思い出とか、かったるいドラマは排除し、ゴールまで一直線の潔さ。

これぞザ・80年代。大雑把さが魅力です。




シュワちゃんの筋肉アクションが何より作品の売りなんだけど、脚本に関して言うと、ネットでも放送の度に話題になる名(迷)台詞と、シュワちゃんに協力する通りすがりの美女、シンディ(レイ・ドーン・チョン)の変化が注目ポイントです。


中でもシンディの変化はこの一直線のストーリーに奥行きを与えており、彼女こそ陰のMVPだ。






では話題となる名台詞と共に、作品の魅力を書いてみます。



シュワちゃんは娘を誘拐され、バルベルデ共和国の元大統領アリアスに現大統領の暗殺を強要される。

歯向かう事は不可能、バルベルデ共和国への飛行機に連行されるシュワちゃん。


一味の一人であるサリーに挑発され、シュワちゃんが発した台詞がこれ。

「面白い奴だな。殺すのは最後にしてやる」


娘を人質にされているにもかかわらず、心は折れていません。さすがシュワちゃん。


ちなみにストーリーが暫く進むと、シュワちゃんはサリーを崖に追い込み、左手一本で逆さ吊りにします。
必死に命乞いをするサリー。

「最後に殺すと約束したな」
「そうだ!」
「あれは嘘だ」


シュワちゃんは手を放し、サリーは崖に落ちていく。

その後、シュワちゃんはシンディの元へ戻ってきて、車に乗り込む。

「あいつはどうしたの?」
「放してやった」



シンプルな台詞ながらウィットに富むやり取り。
脚本家の筆の冴えが光ります。




ストーリーを少し戻して、飛行機に連行されるシュワちゃん。
隣に座る見張りに注意されます。


「今度おかしなことを言ってみろ、口を縫い合わせてやる」


飛行機からの逃亡を図るシュワちゃんは、この見張りの首を折って瞬殺。
毛布を被せ、CAに告げます。

「死ぬほど疲れているようだ、起こさないであげてくれ」




この見張りが死んでいると気づかれるまで、フライト11時間のタイムリミット。

この時間制限がある事もサスペンスを盛り上げる上手いやり方。




飛行機から逃亡したシュワちゃんは上に書いたサリーを尾行し、彼がナンパした美女シンディに初対面ながら協力を頼みます。


実はこのシンディの台詞、あまりファンが上げる名言にカウントされないんですが、いい台詞が多いです。

シュワちゃんに協力を頼まれたシンディは答えます。


「駄目よ、今日は七時半から空手の稽古があるの、付き合えないわ」

空手?



そしてシュワちゃんを信用できないシンディは警備員に助けを求めます。
警備員たちがシュワちゃんをじりじりと包囲していきます。


そのうちの一人が無線で協力を要請した折の台詞。

全警備員へ。三階で非常事態だ。容疑者は男性190cm、髪は茶、筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ


シュワちゃん、まだ何もしてません。



その後、シュワちゃんは警備員たちを相手に大立ち回り。
シンディを無理矢理連れて逃亡します。

当然、お怒りのシンディ。


「あんた、一体何なのよ! 車は盗む、シートは引っぺがす、あたしはさらう、娘を探すのを手伝えと突然滅茶苦茶を言い出す、かと思ったら人を撃ち合いに巻き込んで大勢死人を出す、挙句は電話ボックスを持ち上げる。あんた、人間なの? お次はターザンときたわ」


テンポ抜群の台詞回し、人である事さえ疑うシンディがいい。



その後、シュワちゃんに娘の写真を見せられ、シンディはやっと信用して協力する。


サリーを殺害した後、彼が仲間と待ち合わせに使用しているモーテルに侵入。

サリーの仲間が部屋にやってくると、シュワちゃんはシンディのシャツの襟を掴み、強引に胸元を露出させます。


そのままシンディはドアを開けて、サリーの仲間を迎える。

「お前は?」
不敵に、「ルームサービス


いよいよノッてきましたシンディ。



その後、シュワちゃんはブルドーザーで武器屋を襲撃し、武器を強奪する。
しかし警察が駆け付け、あっけなく逮捕されます。

シュワちゃんを連行する警察車両に対して、シンディはロケットランチャーを発射。


破壊された警察車両から出てくるシュワちゃん。


「何処で使い方を習った?」
説明書を読んだのよ


そんなものは無い。




ここまでくると80年代アクション映画、らしさ全開です。


簡単に人を再起不能にしていくシュワちゃんにシンディが言う。

あなた、誰かに野蛮って言われた事無い?
「行くぞ」

いつの間にか、無視されてもついていくシンディ。もはや完全に共犯だ。



シュワちゃんが街で暴れたと聞き、その惨劇跡に現れるかつての上官、カービー将軍。
部下が尋ねます。

「何が始まるんです?」
第三次大戦だ


言い過ぎです。




アリアス元大統領が孤島にいると知り、飛行機を強奪して向かうシュワちゃんとシンディ。

そんな折、シュワちゃんが現大統領暗殺に動いていると信じて疑わないアリアス元大統領が、電話に出ます。

はい。アリアス大統領だ


元だ。この無邪気さが愛らしい。




そしてシュワちゃんがアリアスのいる孤島に現れ、大暴れするクライマックスに突入するんですが、ここは完全に物量で勝負。

筋肉とマシンガン、血と悲鳴、興奮しかありません。最高です。



中でも過去の因縁があるベネットとの対決は白眉。



腕を負傷し、娘を人質に取られ、銃を突き付けられたシュワちゃんはナイフでの対決を要望。

来いよベネット! 銃なんか捨ててかかってこい!

大ピンチなのに何処までも上からなシュワちゃんがいい。



当然のようにベネットを殺し、アジトを壊滅させ、娘を救出。
今頃駆け付けたカービー将軍と顔を合わせます。

「まだ誰か残っているか?」
死体だけです



痺れるぜ…。


ここで挙げた他にも名(迷)台詞はまだまだあります。
アクション映画好きな方は是非確認していただきたい。



以上です。だから私は感動しました。




娘役のアリッサ・ミラノはこの後、日本でアイドル的人気を博しました。
作品に恵まれず、後にヌードになったりと迷走しましたが、最近の写真を見てもやはり美しいです。

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