「あの夏、いちばん静かな海。(1991)」感想。北野武監督、私の夏はいつ始まりますか!

邦画
引用元 Amazon

夏の絵日記のような作品。
内容もそうだけど、北野監督の画作りも。


この90年代前半、よく記事で書いてるけど、日本映画は暗黒時代。
その中で北野武監督は一筋の光でした。

私の場合、この作品で北野作品のファンになりましたね。

ここから「ソナチネ」「キッズ・リターン」「HANAーBI」と傑作が続きます。


ネタバレ度10%
未見の方はDVDで!
動画配信はこの記事を執筆中の2022年7月現在、ありません。

ラストのオチ以外、ネタバレするようなネタは無いです。
もちろん、ラストのオチは書いてません。
誰でも読み進めてくださいな。



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分析

この作品ね、脚本無いんですよ。



耳の聞こえない恋人同士の日常をスケッチ的に描いた作品で、キャラの葛藤は相当希薄。
北野監督が世界的に評価されているバイオレンス描写も封印。


一見、学生映画のよう。
ロングカットの長回しが多いしね。

この時期、そうゆう撮り方が流行ってたんですよ、学生映画でもみんなやってた。
もちろん、私もその一人。

ジャームッシュやヴェンダースが人気だったからね。



でもこの作品は学生には撮れない。
そこが北野監督のセンス、才能なのだろう。




主人公の茂(真木蔵人)はサーフボードを拾ったのをきっかけに、サーフィンを始める。
そのうち、恋人以外にも、次第に仲間が増えていくという内容。


ドラマ要素がほとんど無いので、脚本について語るのは難しい。
脚本について語るこのブログで、何故この作品を題材にしたのか、自分でもよくわからん。


ただ、画作りと編集で恋を描いている点がとても独創的で惹かれる。


「恋する惑星」の記事で、ウォン・カーウァイ監督は「恋する気持ち」を映像化していると書いたけど、あれはカメラワークと照明、役者の存在感。

この作品とは全然アプローチが違う。
それがとても面白い。



しかし北野武監督がこれほどロマンチストだとは驚きだ。

TVで毒を吐いている姿からは想像できない。

脚本は自分をさらけ出す作業だと言うが、あれほど有名な方がこれほどさらけ出している事が凄い。
照れとか微塵も感じない。

そう言った面も何気に感動ポイントなんだと思う。
見習いたい。


そして何よりも音楽担当の久石譲先生!
脂が乗り切ってます、この素晴らしさはやばいです。

この時期、宮崎駿作品と北野武作品の高い評価は久石音楽の力も相当あるだろう。



映画のラストが印象的なんだけど、初見の時、友達と二人で見てて「お~!」と歓声を上げたのを覚えている。

14型の小さいTV画面で。VHSの汚い画像で。大阪の不潔な寮で。


懐かしいぜ。


以上です。だから私は感動しました。



作品のキャッチコピーは「一生にいちど、こんな夏が来る」でした。

そうなのか?
私、まだ一度も無いけど?


私もこんな夏を過ごしてみたいです。


どうすればいいんだろう、この主人公のようにサーフボードを拾えばいいのか?
そうすればこんないつも一緒にいてくれる素朴で可愛い女性が現れるのか?

フ。

さすがにもう大人ですからね。
そんな夢は見ませんよ。


ただな、日中にしこしここんなブログ書いてちゃ駄目だ。
一瞬で夏は終わる。

それだけはわかる。


おすすめ北野武監督作品

○「その男、凶暴につき」
北野監督の処女作。
独特の暴力描写と間が映画ファンの間で話題になった。

ちなみに名脚本家の野沢尚さんが自身の最高傑作として、北野監督がいじる前のこの作品をあげてたな。

○「キッズ・リターン」
北野作品としては珍しい青春映画で、大怪我からの復帰作。
ラストの「まだ始まっちゃいねえよ」はロマンチスト北野監督ならではの名台詞。

○「HANA-BI」
ヴェネツィア映画祭グランプリで、世界のキタノになった記念碑的作品。
ラストの切なさが印象的。

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