ヒッチコックの集大成とされる巻き込まれ方サスペンスの名作です。
巻き込まれ方のサスペンスを見たくなって久しぶりに観賞したんですが、二時間弱、唸り続ける凄まじいプロットでした。
また、この作品はヒッチコック作品の中でも極めてゴージャスなんですよね。
アクション要素が強く、本当に飽きさせない工夫が凄い。
凄いです、ヒッチコック。
ネタバレ度80%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
分析
巻き込まれ方サスペンスの名作とされてますが、映画冒頭、いきなり巻き込まれます。
ケーリー・グラントがいきなりジョージ・カプランという男に間違われ、男二人に拉致される。
豪邸に連れていかれ、酒を飲まされ、自殺に見せかけて殺されそうになるが、何とか逃亡。
警察に飲酒運転で捕まり、悪党たちの追撃を逃れる。
はい、ここまで映画開始18分。
何だ何だと息もつかせぬ展開、素晴らしいです。
そして警察では人違いで拉致されたと言っても、信じてもらえない。
何とか説得して警官たちと共に拉致された豪邸に赴くと、そこは全く知らない人たちが住んでおり、自分の訴えは全く信じてもらえない。
ここ、凄いですね。謎の畳みかけ、私はここでヒッチの本気を感じました。
ケーリー・グラントは拉致されたホテルに行き、泊まっているはずのジョージ・カプランを呼び出す。だがずっと不在らしく、ホテルの従業員の誰もカプランを見た事が無いらしい。
そのホテルに再び殺し屋が現れ、逃亡する。
そして国連に行き、豪邸の本当の持ち主だった男を呼び出すと、これまた全く知らない人。もん等しているところ、その男は背中をナイフで刺され、ケーリー・グラントは殺人犯にされてしまう。
ここ、映画開始38分。
謎が謎を呼ぶ展開とはまさにこの事。現代の映画と比べても、これほどスピーディーなプロットはなかなか無いですね。
そして唐突に謎が明かされます。
ジョージ・カプランという男は存在しない。防諜機関がおとり捜査のために創造した架空のスパイだという事が。
そしてケーリー・グラントを助ければ他のスパイたちの身が危うくなるという事で、見捨てる事に。
いいですね、これからのケーリー・グラントの苦難が嫌でも想像されます。
こういった情報の出し入れがヒッチコックは本当に上手い。
そしてケーリー・グラントはいもしないカプランの行方を追う。
電車に乗っている折、美しきエヴァ・マリー・セイントと出会う。
エヴァはケーリー・グラントが殺人の容疑者と知りながらも、「ハンサムだから」と言って警察から匿います。
こんな謎めいたキャラ、ちょっと見た事無いな。だからでしょうか、ヒッチコックの常連の美人女優が演じていない。本当に良い雰囲気を出しています。
お互い惹かれ合い、ラブシーンが始まるんですが、

「おかしいわね、あなたは殺人犯かもしれないのに」
「君は殺さない」
「今夜殺すつもりじゃないの?」
「殺そうか?」
「殺して」
男ってバカですね。
良い台詞です、ヒッチコックのユーモア精神が表れています。
そう、ヒッチ映画って結構笑えるんですよ。
そしてエヴァは給仕にメモを渡すよう、頼みます。
他の車両に乗っている悪党たちがメモを受け取る。そこには「朝、彼をどうする?」と書かれてます。
この女、怖え!
はい、ここが開始一時間ジャスト。ミッドポイントです。
どうでしょう、中身がぎちぎちに詰まった一時間。凄いです。
そして電車を降りたケーリー・グラントはエヴァにカプランに連絡してもらい、落ち合う約束をします。
ここで一面何も無いトウモロコシ畑で飛行機に追い回されるという伝説の名シーンへ。
静かながらダイナミック、こんなサスペンスの撮り方があるのかと、今見ても唸る。
このシーンがこの作品を名作にしています。
命からがら戻ってきたケーリー・グラントはエヴァと再会。
彼女が怪しいと睨み、彼女を尾行し、悪の根源、バンダムと顔を会わせます。
エヴァはバンダムの情婦だったという流れ。

その場で殺されそうになるんですが、ケーリー・グラントは騒ぎを演出して逃亡。警察に逃げ込むが、そのまま防諜機関に連行されます。
そしてやっと自分が身代わりだった事、カプランは存在しない事を知らされる。
激昂して帰ろうとするが、防諜機関の男は「もう一日カプランをやってください」と言ってくる。
そうしないと、他のスパイが疑われ、危険になると。
そんなの知るか!と帰ろうとしますが、他のスパイがあのエヴァだと聞き、助けに向かう。
男って単純ですね。
そして興奮のクライマックスへ。ここでも色んなアイデアで観客を喜ばせてくれる。
そのアイデア量、まさに無限大。
中でもロケーションがやはり最高。こんなところでアクションされたら!

以上です。だから私は感動しました。
今見ても新たな発見があるヒッチコック、やはり天才ですね。
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