原作小説はピューリッツァー賞受賞の名作。
戦争に翻弄されたある女性の悲劇を描いた作品です。
戦争のニュースが毎日耳に入ってくる現在、是非見ておきたい作品。
凄惨な戦闘シーンや廃墟を描く事無く、これほど戦争の悲劇を描いた作品を私は他に知らない。
内容は小説家志望の若者と、あるカップル、三人の友情を軸に描かれます。
カップルの女性、ソフィー(メリル・ストリープ)は戦時中、アウシュビッツ収容所にいた過去があり、回想を通してその辛い体験が語られます。
三人のドラマにも一筋縄ではいかない仕掛けがあり、見どころはあるんですが、この作品の印象はある一つのシーンに集約されます。
今回の記事ではその一点について、語ります。
それはとんでもない衝撃でした。
ネタバレ度90%
未見の方は是非、配信なり、DVDで。既に見られた方、ネタバレ上等な方は進んでください。
この記事を書いている2023年11月現在、U-NEXTでは見放題配信されています。
DVDで観賞したい方は私も利用している宅配レンタルがお勧めです。
分析
タイトルにもある通り、この作品の見せ場はこの一点、
ソフィーは一体、何を選択したのか?
はい、もういきなり言っちゃいます。
子供二人とアウシュビッツに連れてこられたソフィーは、ドイツ人将校にある選択を迫られます。
「子供は一人だけ残してやる。焼却炉行きをどちらか選べ。選ばないなら二人共だ」と。
見ていて字幕を読み直しましたよ。
しかもこの将校、ちょっとニヤついて言ってます、許せません。
母親に対して何ですか、この選択は?
当然、ソフィーは何とか二人を助けてくれるよう、泣いて頼みます。
「私に選ばせないで」とも。
しかし、全く聞き入れてくれません。ひどい将校がいたもんです。
まあ、でも映画だしな。
私には次の展開が予想できました。
ソフィーは二人を選べない、このまま子供は二人共殺されてしまうんだろうと。
残酷な展開です。
でも、それが映画です。
さて、この映画はどうなったかと言うと、
答えられないソフィーに対して、業を煮やしたドイツ人将校が子供二人を連れて行こうとします。
その瞬間、ソフィーが泣いて叫びます。
「娘を連れていって!」
え?
連行され、泣き叫ぶ娘。
嘘だろソフィー、選んだよ、この人!
残酷でどうしようもなくリアル。
この時のメリル・ストリープの表情が目に焼き付いて離れません。
アカデミー賞主演女優賞も納得の名演です。
でもこんなシーン、普通書きますか?
まあ、書いたからここまでの名作になったんだけど。
人間を描ききるという強い信念を感じます。尊敬しかありません。
その後、アウシュビッツから一人生還しますが、ソフィーは重い十字架を背負って今も生きています。
それはどれほどの重さなのか。
想像するだけで息苦しくなります。
そして映画は悲劇的な結末を迎えます。最後に選んだソフィーの選択もまた悲しい。
凄い映画でした。見終わった後、暫く動けなくなるのは必定です。
以上です。だから私は感動しました。
私が選ぶ戦争映画ベスト1はこの作品です。
ずしんと来る重さ、辛くても一度は見ておくべき作品、私はそう思っています。
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