「ゴースト ニューヨークの幻(1990)」感想。デミ・ムーアに泣かされるだけじゃない! シナリオは国宝級の完成度!

カ行
引用元 シネマトゥディ

「泣ける」という前情報が多すぎて、男子は見るのがちょっと恥ずかしいと感じる恋愛映画。

これと「タイタニック」ね。


しかしこの作品、さりげなくアカデミー脚本賞を受賞しており、シナリオは神レベル。

久しぶりに見直してみたら、食い入るように見入ってしまった。


以前、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を完璧な映画と評したけど、この作品はほぼ双璧。
そう言うと、笑う人もいるかもしれませんが、マジです。



ラストは気持ちよく泣かされます。

鼻水まで出ます。
女子は注意!



ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。




この記事を書いている2023年11月現在、U-NEXTでは見放題配信されています。




DVDで観賞したい方は私も利用している宅配レンタルがお勧めです。



スポンサーリンク

粗筋

サム(パトリック・スウェイジ)が暴漢に襲われて死亡する。
しかしこの暴漢、はなからサムを狙っていたらしく、何か理由があるようだ。

次はサムの恋人のモリ―(デミ・ムーア)が狙われる。
サムはゴーストとなってモリ―を守る!

分析


恋愛映画とされているが、実はこの作品、サスペンス映画。

サムを殺した犯人探し、その謎に迫るという構成になっています。



冒頭はサムとモリ―の恋人関係が描かれます。


サムは普段、「愛してる」と口にしない。
いつも「同じく」と答えている。
それがモリ―は不満。

こんな感じの普通のカップルです。



この序盤で、かの有名な陶芸シーンがあります。
官能的なラブシーンですが、恐ろしくイヤらしい。
スタッフも狙って男性器を意識したらしく、名曲が流れて美しいシーンに見えるが、やってる事はなかなか下品。

引用元 シネマトゥディ

でも強烈に印象に残る。
この時点で勝ちだ。

更に「触れられない」という事がこの作品ではかなり大きな要素。
冒頭でいやらしく触れ合っているこのシーンは象徴的で、感動のラストにも効いてきます。



そしてサムが強盗に撃たれるのが映画開始20分。

強盗と揉み合って銃声。
その直後、強盗を追いかけるサムが映る。
強盗に逃げられてモリ―の元に戻ってくると、地面に倒れている自分が見える。

自分が死んでいる。
この瞬間、サムと一緒に観客も驚かされるという演出。

ここ、作品に無理矢理引きずり込まれます。上手い。



その後、幽霊の先輩が死後の世界を教えてくれる。



そして開始30分過ぎ。

サムの部屋にやってくる強盗。
これでただの強盗ではなく、サムは狙われて死んだ事がわかる。

モリ―が外から部屋に戻ってきて、強盗が物陰に隠れる。

モリ―のピンチだが、幽霊のため、何もできないサム。
だが猫だけはサムの気配を感じている。
猫を脅かす事で強盗を部屋から追い出す。

ここ、モリ―のピンチというサスペンスの中で、幽霊の特性とサムの死の謎まで提起する高等テクニック。
ここまでスマートにはなかなかできません。


サムは何故殺されたのか? 

この謎がストーリーの中心になり、完全にサスペンス映画のフォーマットで進んでいく。



そしてサムの声が聞こえる霊媒師、オダ・メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)が登場。
サムはオダ・メイを介して、モリ―に危険を知らせる。

引用元 シネマトゥディ




モリ―はサムの友人カールに強盗の名前と住所を伝える。

カールは調べに強盗のアパートへ向かう。
当然、サムもついていく。


「カール、気をつけろ」と呟くサム。
ここで観客はカールも殺されるかも?とドキドキです。


ところが驚きの事実が発覚。


カールと強盗は顔見知り。
カールこそ、サムの殺害を指示した張本人だとわかる。

ここが映画のちょうど真ん中です。


完璧だ。完璧な構成だ!


ここからは狙われたモリ―をどう守るか、そしてカールの悪事をどう明らかにするかという展開になっていくんですが。


すいません。



面白すぎて、シナリオの分析どころじゃなくなりました!




モリ―のピンチ、このクライマックスのハラハラドキドキから号泣のラストシーンまでもはや息もつけません!


当然、シナリオは後半も神レベル! 
みんな、各自で確認してくれ!




ラストシーンの美しさは至高。

モリ―にサムの声が聞こえるという奇跡が起きる。




ここ、何でサムの声が聞こえたかわかる?











愛だよ(どや顔で)。







二人の別れが迫る。


サムが言う。「愛してる」と。


モリ―が答える。「同じく」と。



冒頭の二人のやり取りを受けての、この台詞の返し。









どうよ?(どや顔で)





ええ、完全にはまりましたよ。


以上です。だから私は感動しました。




この作品、善人と悪人で死んだらどう違うのか、描いているのもポイント。

子供の教育にもいいんじゃない?

ていうか、見せようよ。
全世界、全ての子供に。




ちなみにデミ・ムーアの涙、その美しさは国宝級です。


この作品でスターになりましたが、以降は坊主になってアサルトライフルを撃ちまくったり、気に入った男に「戻って私を抱きなさい!」と恫喝したり。

更には整形、豊胸と。


どうしてこうなった。


この美しい涙が見れるのはこの作品だけです。
その意味でも国宝級。

こっちも全ての涙を搾り取られます。ご覚悟を。
鼻水まで出ます。

見終わって鏡を見ました。

どえらいブスでしたよ。

おすすめデミ・ムーア出演作品



にほんブログ村 映画ブログへ
記事を気に入ってくれた方、ぽちっとお願いします!
タイトルとURLをコピーしました