クレージーな映画。
久しぶりに見直したけど、あらためてそう思う。
胸糞悪すぎて最高です。
ブラッド・ピット、むちゃくちゃカッコいいです。
ケヴィン・スペイシーやグウィネス・パルトローもスターになって、今見るとキャストも豪華。
何よりデヴィッド・フィンチャー監督が確かな地位を築いた作品としても記念碑的作品。
コントラストの強い映像で、独特のダークな世界を作り上げていて引き込まれる。
ネタバレ度60%。
衝撃のラストは触れてません。
あれはシナリオの技術じゃなく、脚本家の発想が最高としか言いようがない。
未見の方は是非その目で見て、胸糞悪さに眠れない夜をお過ごしください。
最高です。
DVDで観賞したい方は私も利用している宅配レンタルがお勧めです。
分析
七つの大罪をモチーフにした猟奇殺人が繰り返され、ベテランと若手の刑事が犯人を追っていくサスペンス。
冒頭の殺人から、独特の雰囲気です。
何せ死体がとんでもないデブで、死因は食い過ぎ。
独特のダークな映像も相まって、いきなり作品世界に引きずり込まれるのを感じる。
ベテラン(モーガン・フリーマン)と若手(ブラッド・ピット)刑事のバディものの形をとりつつ、この脚本家、あまりこの刑事二人のキャラを描く事はしません。
何せ刑事二人とブラピの妻(グウィネス・パルトロー)、この三人が食事をするシーンでやっとまともに会話するんですが、それは開始三十分過ぎ。
冒頭三十分は第一、第二の殺人。
犯人の異常さを執拗に描いてます。
そしてよく見ていくと、実はこの刑事二人、特に有能には思えません。
中盤で犯人と遭遇するんですが、それはFBIに金を渡して得た情報がたまたまビンゴした流れ。
おまけに捜査で何か変わった事をしたと言えばこれぐらい。
結局、犯人には逃げられて殺人は続きます。
そしてクライマックス直前、犯人は自ら出頭します。
刑事が犯人を捜すというサスペンスの定石がここで突然終わる。
これって、脚本家がサスペンスの定石で盛り上げる気がはなから無かったようにも見える。
この犯人を、この猟奇殺人事件をどのように見せていくか、そこが一番の執着ポイント。
だけどその脚本家の強い思いが、この作品を唯一無二の傑作にした。感慨深いです。
ほんと、このブログを書き始めてあらためて感じるんだけど、定石から外れる事で名作になるパターンが多い。それが新しさなんだろう。
そして逮捕された犯人、七つの大罪をモチーフにした殺人を繰り返してきたが、現段階の殺人で発覚しているのは五件、あと二人の死体は見つかっていない。
そこで犯人は、残り二つの死体がある場所まで、刑事二人を連れて行くと言いだします。
この要求を刑事二人は飲み、現場に向かいます。
ここ、初見の時、私はこの刑事二人が襲われる展開だと思いました。
それがクライマックス、大きな見せ場になるんだろうと。
さあ、どんなやり方でこの二人を襲うんだ?と楽しみに見てましたよ。
そんな三流の想像をこの作品は軽々と越えていきます。
驚愕のラストです。
ここでは書きません。未見の方は見てください。
マジで鳥肌もんです。
ちなみにラスト直前、車で現場に向かう折の犯人(ケヴィン・スペイシー)のスピーチが何気にいいです。
彼の演技の説得力でしょう、何かそれなりに正しく聞こえちゃうんですよね。
ここ、犯人をリアルに感じられるかはとても重要。
ただの殺人嗜好者じゃない、知的にさえ見えるところが、素敵です。
以上です。だから私は感動しました。
デヴィッド・フィンチャー監督はこの作品を「ホラー映画」と言ってます。
上に書いたとおり、確かにサスペンスというよりはホラーかなあと納得できる部分がある。
殺し方がどれも凄惨過ぎて最高でした。
もう一度言います。クレージーな映画です。
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