ファッションを題材に、何処を切り取ってもキラキラしたまぶしい作品。
映画好きの女性がかなりの確率でオールタイムベストの一本に入れる作品です。
アン・ハサウェイの美しさに癒され、明日への活力を得られます。
そう、背中を押されるのは女性だけではない。
疲れた時に見たくなる、私も大好きな映画です。
お洒落からはほど遠いおじさんだけど。
ネタバレ度80%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
この記事を書いている2023年10月現在、アマゾンプライムでは見放題配信されています。
DVDで観賞したい方は私も利用している宅配レンタルがお勧めです。
分析
お仕事映画の傑作として数えられる本作。
主演のアン・ハサウェイが仕事、夢、恋や友情に対してどう向き合っていくか。
彼女の奮闘を見せていく内容なんですが、やはり作品の肝はアン・ハサウェイの敵役、「プラダを着た悪魔」ミランダを演じるメリル・ストリープ。
メリル・ストリープのキャラ立てが見事過ぎる点。
彼女のフィルモグラフィでも代表作の一つに数えられるほど、このミランダ役ははまってる。
登場シーンから、誰もが恐れる、厳しいボスキャラだと完璧に印象付けられます。
美しさと同時に冷徹な厳しさをこれほど出せるベテラン女優は他にいない。
この悪魔が強ければ強いほど、アン・ハサウェイの健気さと可憐さが際立つ作りになっている。
そして主人公のアン・ハサウェイが演じるアンドレア。
最初は「可哀想なくらいださい娘」「利口な太った娘」と散々な言われよう。
アン・ハサウェイはこの段階でも十分に美しいが、野暮ったさはそれなりに出せています。
ミランダの元で働くようになったアンドレアの混乱ぶり、そして「ミランダに負けない」と決意するまでを前半25分でテンポよく見せる演出が光る。
ミランダは手強く、努力しているのに全く認めてもらえない。
アンドレアがスタンリー・トゥッチ演じるナイジェルにそう愚痴ると、彼ははっきり指摘します。
「君は努力していない。サイズ6」
努力の仕方、方向性が違うという事をナイジェルはアンドレアに教えます。
そしてアンドレアにファッションを教える指導役に。
ナイジェルの厳しくも優しいキャラをしっかり見せる。
これは儲け役ですね、観客の誰もが好きになる。
このナイジェルの教えもあってアンドレアは劇的にお洒落になっていくわけですが、ここからのアン・ハサウェイの美しさ、可愛さはまさに天井知らず。
美人女優はたくさんいるけど、見惚れるという表現をここまで体現させてくれた女優は他にいない。
彼女も他作品と比べて頭二つ抜けている、文字通り、美しさの絶頂がここに刻まれている。
くっきりした目鼻立ち、白い肌と完璧なスタイル、まるで人形だ。
そしてアンドレアはミランダに徐々に認められていく。
しかし仕事が順調になっていくのと反比例して、恋人や友人とはすれ違っていく。
このサブプロットも上手く整理されてて、観客もしっかりと共感できる。
更には家庭人のミランダも見せて、キャラに深みを与える念の入れよう。
そしてアンドレアはミランダの第一アシスタントになり、新たな恋人(サイモン・ベイカー!)も手に入れ、誰もが憧れるキャリアウーマンに。
と、普通ならお仕事映画のサクセスストーリーとして気持ち良くこのまま終わる。
だが、この映画は違う。
終盤、アンドレアはミランダの仕事における冷酷さを見て、「私はあなたとは違う」と別れる。
そして元々の夢、ジャーナリストを目指して、就職活動を再開する。
ここ、仕事のサクセスストーリーじゃなく、自分探しのテーマをラストに強く打ち出している。
この点が作品に一筋縄ではいかない深みを与えてる。
アン・ハサウェイの美しさだけじゃない。
メリル・ストリープの名演だけじゃない。
多くの観客の中で特別な作品になった理由はここだ。
同じ場所に戻ったように見えて、決して同じじゃない。
「自信」と「経験」を得た事で、アンドレアのこれからの成功は約束されている。
ラスト、ミランダの後押しが何より最高。
遠回りしたように見えて、何一つ無駄じゃなかった事をしっかりと見せている。
ここに観客は背中を押されるんだ。
日々の理不尽と思える仕事にも、無意味と思える仕事にも、耐えられるんだ。
以上です。だから私は感動しました。
この映画、事ある毎に見直すんですけど。
アンドレアを導くナイジェルを見ていつも思います。
こんなおじさんになりたいと。
いや、なるんだと。
このたるんだビール腹を何とかするぞと。
そしてラスト、アン・ハサウェイとメリル・ストリープの笑顔を見て感動しては、缶ビールを開けて乾杯している。
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