「羊たちの沈黙(1991)」感想。フレディ? ジェイソン? 違うぞ、最恐はアンソニー・ホプキンスだ!

洋画
引用元 シネマトゥディ

アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞の主要五部門受賞の名作サスペンス。


当時は「これがアカデミー賞?」と驚いたけど、見直すと納得の傑作です。

公開時に見た時は独創的過ぎて、どう評価していいのか、わからなかった覚えがあります。

ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の笑顔の印象が強すぎて、これは一体何だったのか?という。


FBI捜査官のクラリス(ジョディ・フォスター)は捜査と言っても、レクターから話を聞きだすだけ。

犯罪者のレクターに何故聞くのかも、よく理由がわからなかった。

何より、猟奇殺人犯のバッファロー・ビルの印象がレクター博士に比べて弱い。

この辺りで消化不良を起こしたのだろう。



しかし犯罪心理学を題材にした作品としてあまりにも有名になった今作。

「見る度に違う感動がある」映画はたくさんあるが、「見る度に評価の上がる作品」は珍しい。

この作品は私にとって、そうゆう稀有な作品です。

あらためて凄い。


ネタバレ度40%。
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
まあ、犯人探しのストーリーはそれほど無いので読んでも見ても大丈夫かな。



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分析


FBI研修生のクラリスが、人肉殺人犯のレクター博士の助言を乞いながら、猟奇殺人犯バッファロー・ビルを追うという内容。



シナリオで注目したいのは、とりあえず冒頭20分。
緊張感が異常過ぎる。

クラリスのキャラ紹介はほどほどに、レクター博士のキャラ紹介に比重を置いている。

そしてクラリスとレクター博士が初対面。
その緊張感が凄まじい。

これほど緊張感のある冒頭20は映画史上初だと思うよ。

引用元 映画.com

てか、初登場からこの顔はやばい。



そして犯人探しのサスペンスとしては珍しく、30分過ぎには顔を晒し、その犯行ぶりを見せる猟奇殺人犯バッファロー・ビル。

ここで出すか。

最初に出せば「刑事コロンボ」。
中盤に出せば「セブン」。
この中途半端な時間に出てくること自体、若干、小者感が出ている気がする。

クラリスとレクター博士が中心なのがありあり。


不思議な構成だなと思うんだけど、この「羊たちの沈黙」って原作は三部作の真ん中なんだよね。
だからレクター博士が中心になるのは必然。

この違和感が、初見の時は強くて、不満が残ったんだけど。

引用元 シナマトゥデイ

もー、迫力あり過ぎ!




そしてこの作品の見方としては、バディものとして見るのが一番しっくりくる。
先輩レクターが後輩クラリスに捜査を教えていくという形。

クラリスが捜査して犯人を突き止めるサスペンスではなく、レクターが名推理を展開する安楽椅子ものミステリーでもない。

私はそう思ってから、はっきりと凄まじい映画だとわかりました。
ごめんね、頭が固くて!



クライマックスのバッファロー・ビルと対峙するジョディ・フォスターの演技とジョナサン・デミの演出力は圧倒的です。

今回、久しぶりに見て満喫しました。
現在、サスペンス映画では私のベスト1です。
「セブン」を抜いて。


以上です。だから私は感動しました。



やはり続編の「ハンニバル」にもジョディ・フォスターは出てほしかったなあ。

ちなみにこの作品の撮影時、ジョディはジョナサン・デミ監督に、「この作品で一番不安なのはあなたよ」と言ったらしい。

さすが子役から活躍しているジョディ。
怖いです。


まあ、私も「ジョナサン・デミ? 誰?」って感じだったけど。


プレッシャーをはねのけてこの傑作を生みだし、次作の「フィラデルフィア」も成功したジョナサン・デミ、あなたは偉い。


私ならジョディにそんな事言われたら泣いて帰ってますよ。

帰ってからも泣いてます。


おすすめジョナサン・デミ監督作品

○「フィラデルフィア」
「羊たちの沈黙」がまぐれじゃなかったと証明した名作。
ゲイとエイズを題材にした法廷もので、トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンの共演は見応えたっぷり!
しかしこの作品以降、ジョナサン・デミ監督は失速し、「一発屋」と言われるようにもなった。

おすすめジョディ・フォスター出演作品


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