「台風クラブ(1985)」感想。思春期ならではの衝動と共に、監督の狂気も感じる傑作青春映画!

邦画
引用元 映画.com

今ならアウトでしょう。

平然と中学生女子の下着や水着、全裸を映しています。


厳しい演出で有名な相米監督ですが、それ以上にその狂気に圧倒されます。



ネタバレ度70%
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分析


台風がやってくるまでの中学生の数日間を描く、青春群像劇。


エピソードの羅列で構成されており、ストーリーらしいストーリーはありません。



この手の映画だと、エピソードの一つ一つがどれだけの輝きを放つかにかかっている。


ましてこれは青春映画だ、若者たちの、その年代だけが発する輝きをどれほど切り取れるか。



その意味では、この映画は凄い。



邦画だけじゃなく、世界的に見てもこのレベルはそうは無いんじゃないかと思う。





というわけで、いくつかのエピソードをご紹介。


映画序盤、三浦友和さん演じる教師が授業をしている真っ最中に、交際相手の家族が教室に乗り込んできます。

「うちの娘をいつまで待たせるんだ!」と。
「100万も貢がせやがって!」と。

唖然とする生徒たち。

子供たちの世界に突然飛び込んでくる大人の世界。


やばい、いきなり無茶苦茶面白い。




直後、三浦友和さんと恋人が部屋で過ごす長回しのシーンも生々しさが感じられて、この瞬間に、相米監督のただごとじゃない演出力に唸る。


ちなみにそれまでは爽やか二枚目イメージだった三浦友和さんですが、この演技で役の幅を広げた事でも有名です。



相米監督と言えば、独独の長回し演出が有名です。



普通、長回しって演者同士の緊張感を生むものなんだけど(溝口健二監督作品とか)、相米監督の場合、生々しさが前に出るんだよね。


ちょっとクセになる感じがあります。






そして工藤夕貴さん、母親の布団に入って、「お母さん…お母さん…」とうわ言のように呼びながら、オナニーするシーンがあります。




何これ?




14歳の女の子に一体何をさせているのか。

ちょっとよくわからない。





そして他の女子同士でキスしたり、愛撫するシーンもあります。


もちろん、そうゆう関係はいつの時代もあるだろうけど、段々と監督の趣味、性癖を出してきているようにしか思えなくなってきます。


本人は脚本通りに撮っただけだと言い張るだろうけど。


ちなみにこの脚本はコンクールで公募したものです。
相米監督がかなり気に入って映画化したとの事。





そしてその中でも、珠玉の輝きを放つエピソードがあります。


ある男子が、大西結花さん演じる女子に思いを寄せており、悪ふざけで彼女の背中に火傷を負わせてしまいます。



謝罪するが、当然、大西結花さんは無視。



それでも執着し、二人きりの時、「マクドナルドに行かない?」と誘います。
そして断られると、感情が抑えられず、大西結花さんを襲います。



逃げる大西結花さん。捕まっても、必死に抵抗します。

しかし男子の力には敵わない。

まるでプロレスのようにくんずほぐれつして、彼女はばてて動けなくなります。

激情を抑えられない男子は、大西結花さんのシャツをびりびりに破き、背中の火傷を露にする。
そして泣き出します。

二人で泣き続ける。



ここ、普通なら襲い掛かってレイプシーンでしょう。

しかしそこはまだ経験の無い中学生、自分の性衝動を抑えられないが、「セックス」には至らない感じがとても良いです。


彼のどうしていいのかわからない混乱と、思い通りにいかないもどかしさ。

ビンビンに感じました。長回しも効果的。


ちゃんと青春を描いてます。

相米監督の少女趣味だけの映画じゃない。






そしてクライマックス、台風がやってきて、数人の生徒が夜のグラウンドに飛び出し、わらべの「もしも明日が」を歌いながら踊るというカオス極まりないシーン。





この後、女子はブラジャーをとり、パンティーも脱ぎ、全裸になります。
もちろん男子も。






はい、今ならアウトです。



ていうか、当時でもよく撮影できたなこれ。


私が親なら監督を殴りに行ってます、映画にかこつけて、俺の娘に何をさせているんだと。

スタッフも誰もやばいと思わなかったのだろうか、相米監督ならしょうがないと諦めていたのだろうか。

ちょっとよくわからない。




このシーン、少年少女の昂ぶりと狂気を表現しているんだろう。





しかしそれ以上に監督の狂気を感じる。



その危うさが、若者の危うさと重なり、この作品を唯一無二の青春映画にしています。




ていうか、中学生の時に女子が目の前で全裸になったら、台風だろうが何だろうがガン見してます、踊っている場合じゃない。






しかしここまでやるか相米監督、自分をさらけ出すその作家性、尊敬します。

本当に特異な青春映画です。


余談ですが、東京国際映画祭で審査員のベルトルッチが激賞し、その後も相米監督の活動を気にしていたとか。




以上です。だから私は感動しました。





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