「ノッティングヒルの恋人(1999)」感想。ヒュー・グラントに自分を重ねて夢を見る。現実逃避に最適だ!

ナ行
引用元 映画.com


リチャード・カーティスと言えばラブコメの名脚本家として有名ですが、この作品を今まで見ていませんでした。

何だろう、あまりにベタな設定、「ローマの休日」のオマージュ的な印象で見なくてもいいかと思ったのかな。


今や名作の地位にある作品なので、今回、アマプラで見つけて視聴。





どうして今まで見てなかったんだ俺の馬鹿!



リチャード・カーティス脚本の最高峰かもしれない。

それほど素晴らしい台詞、テクニックの数々に打ちのめされました。


ネタバレ度80%
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分析


何よりヒュー・グラントとジュリア・ロバーツの魅力を最大限に引き出した作品なのですが、それも全ては脚本の素晴らしさでしょう。


まず冒頭のヒュー・グラントのキャラ紹介が秀逸です。

さえない書店主なんですが、一見の客におせっかいにも自分のおすすめ本を紹介し、更には万引き犯を見つけると、本を戻すように優しく諭す。

思いやりのある、優しい人間だとわかる。少し面倒臭い面もあるが。


更にその様子を偶然見ているのは人気女優のジュリア・ロバーツという流れ。



キャラ紹介と主演二人の出会いを同時に処理するこの手際の良さよ。


店で会話を交わした後、次のシーンで二人は街角でばったり会ってぶつかり、ジュリアの服にジュースを零す。




おい。


まあ、ベタ過ぎる展開だが、良しとしよう。




ヒューは謝罪しつつ、自分の家が近くだからそこで着替えるよう、誘う。

ジュリアはヒューの自宅で着替えをすませて出ていくが、本を忘れたと言って戻ってくる。そして二人は見つめ合い、いきなりキス。




おい!



ここまでで開始15分です。嘘だろ。




ちなみにこの序盤でヒューが一緒に暮らす同居人が紹介されます。これが変人で、抜群のコメディリリーフぶりを映画全般で発揮してくれる。


朝、ヨーグルトを食べながら現れます。「このヨーグルト変だぞ」
ヒューは一瞥し、「それはマヨネーズだ」
「ならいい」そのまま食べ続ける。

このシーンだけでもう愛すべき存在になっている。


この映画、コメディ色が強めでそこが魅力なんだけど、この台詞のやり取り、素晴らしいです。なかなか書けないよ。




その後、ヒューはジュリアがいるホテルに会いに行きます。

この初デートのシークエンス、いつのまにかヒューが雑誌「馬と猟犬」の記者と偽ってジュリアにインタビューする流れになるのが最高だ。


こんな初デート、誰が思いつくよ。素晴らしいアイデアです。

台詞がまた抜群に楽しい。ジュリアへのインタビューが終わった後、他の出演者たちにもインタビューする羽目になるのも最高だ。

また、ここで記者と偽る事がラストの伏線にもなっている構成の妙よ!


もうこの時点でリチャードの脚本にKOされてました私。






その夜、二回目のデートはヒューの妹の誕生パーティーです。

ラブストーリーなのにまともに二人でなかなか会えない展開も新鮮だ。

そしてこのパーティーに出席する面々がみんな素敵で愛おしいです。クライマックスではヒューの恋をみんなが応援して奮闘します、最高ですよ。



そしてパーティー中、会話はいつしか各々の惨めさ自慢になるんですが。

みんなが語った後、ジュリアが発言しようとすると、誰もが「あなたが惨め?」という反応を見せる。

そこでジュリアは語る。

「19歳から十年間ダイエット。つまりずっと飢えてる。男と別れてはマスコミにエンタメとして好き勝手に書かれる。もう少ししたら見た目は衰え、演技が下手なのもばれる。そうすればただの見すぼらしい中年女」

みんな、絶句する。

ここで人気女優の悲哀を見せて、観客は一気に共感ですよ。

ジュリアでさえ悩んでる! 私たちと一緒だ!と(一緒じゃない)。




そしてやっとヒューとジュリアは二人きりになり、夜の街を散歩する。

ここでジュリアの部屋に誘われる。ヒューは幸せのピークですよ。



で、部屋に行ったら、ジュリアの恋人が登場。サプライズでジュリアに会いに来たらしい。

ここがミッドポイントですね。見事な逆転です。

ヒューはその恋人の前で咄嗟にルームサービスと名乗る。

また、ここでの台詞も上手い。

恋人が食い散らかした食器を片付けるヒューの悲哀、可笑しさも相まって最高です。



恋人の存在を知ってジュリアから離れるヒュー。

どうなるかと思っていたら、都合よくジュリアのヌード写真が流出します。



マスコミに追われてヒューの自宅に逃げてくるジュリア。その夜、良い雰囲気になり二人はセッ〇ス。





おい。



都合良すぎだろとは思うが、元から都合が良い設定なのであえてスルーします。




ヒューは幸せMAX状態の朝です。


だが玄関のドアを開けたら嗅ぎつけた数十人のマスコミが目の前に押し寄せてきて、フラッシュの嵐。




数十人って。



このあたりの誇張が抜群に上手いんだよね。

普通のドラマならハイエナ的な記者がカメラマンと共に現れる程度。コメディ全振りでテンポ良く進める匠の技。


この騒ぎが決定的になり、二人は喧嘩して別れます。




だが半年後、まだ未練のあるヒューは、近くでジュリアが映画のロケをしていると聞いて出かけます。


ヒューはジュリアと再会し、撮影後に会う約束をする。


そして彼女を待っている間、ヒューが撮影を見学していると、気を利かしたスタッフが音声収録のヘッドホンを貸してくれる。


演者のマイクを通した声が聞こえ、ジュリアが共演者の男性と会話しているのが聴こえる。


「さっき話していた男は誰だ?」
「過去の人よ。気まずいわ、一体何しに来たんだか」


この会話を聞いたヒューはショックを受け、ジュリアと会う事無く、帰宅する。


後日、ヒューの店にジュリアがやってくる。


ヒューは先日の会話を聴いた事を告白するが、ジュリアは「あんな口の軽い男に本心を語るわけないじゃない」と答え、誤解が溶ける。

そしてジュリアはヒューに想いを告げる。これからも一緒にいたいと。



だがヒューはその申し出を断る。君といたら僕は傷ついてしまう。もう耐えられそうにないと。


ここでのフラれたジュリアの表情を見て欲しい。

本当に切ない。こんな表情ができるのかと思った。名演じゃないか。


思わずテレビごと抱き締めそうになりました。





話は脱線するが、ヒューと一緒に働いている同僚がジュリアに気付き、おべっかを言うシーンがあるんだけど、ここの台詞が最高です。

「『ゴースト』は最高の映画だと思います」
「そう」
「パトリック・スウェイジって普段はどんな人です?」
「さあ。デミ・ムーアとは仲良いと思うけど」

たまりませんね、この遊び心!

当時、ジュリア・ロバーツとデミ・ムーアが人気を二分していた事を知っている映画ファンならみんな悶絶ものだ。凄いよ、リチャード!




そして二人は別れるんだけど、もちろん、このままでは終わらない。

リチャード・カーティスの脚本だ、ハッピー・エンドは約束されている。


ここから二人がどのようなラストを迎えるのか、是非、確認して欲しい。


ヒューの恋を応援する家族や友人たち、そこから名作「ローマの休日」へのオマージュが感じられる記者会見に繋がる流れ、そしてウィットに富んだ台詞の数々。




見る者みんなが幸福感を得られる素晴らしいラストだ。


以上です。だから私は感動しました。



誰か、綾瀬はるかさんが来る古本屋を教えて欲しい。

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