上のタイトルにも書いた通り、映画史に残る名コンビが生まれた作品で、今でも映画ファンの中では好きな作品としてよく挙げられる名作です。
しかし私にとってはウィノナ・ライダーが全てだ。
この時期のウィノナが大好きだった私にとって、優しき女子学生を演じているこの作品はとても価値がある。
まあ、実は私、ティム・バートン作品が少し苦手なんだけど。
それでも久しぶりに見たら流石の名作、なかなか良かった。
なのでつらつらと書いてみたいと思います。
ネタバレ度70%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
分析
序盤からティム・バートン監督らしい、カラフルでポップな映像が目白押し。
ここでもう好きな人は高評価を与えると思う。
それほどにこの映像センスは独特で、この時代には唯一無二だった。
映画序盤、城に一人で住んでいる、両手がハサミの人造人間エドワード(ジョニー・デップ)はセールスマンのペグ(ダイアン・ウィースト)に連れられて、町に下りてくる。
ペグの家に居候する形で生活を始めるエドワード。
植木やヘアーのカットに独特のセンスを見せ、どんどん街の人気者になっていく。
この前半は定石通り、観客が見たいものというか、両手がハサミだとどうなるか、何ができるか、大喜利のような感じで考えられたシーンが続きます。
いかにもティム・バートンらしい映像の魅力もあって、軽いテンポで楽しめます。
作品の雰囲気が変わるのは映画の中盤。
エドはペグの娘、キム(ウィノナ・ライダー)を好きなのだが、そのボーイフレンドであるジムに騙されて、強盗を手伝う羽目に。
だが、防犯システムに引っ掛かり、エドだけ警察に捕まります。
事情聴取で口を割らず、エドは一人で罪を被る。
このミッドポイントで、作品の密度がギュッと上がる。
起訴を免れて釈放されるエドだが、街の人気者だったのに、強盗犯として手の平返しをする者が続出。
果てはレイプ未遂をしたとのデマまで流されるという、この辺りの人間模様はなかなか辛く、ティム・バートン監督の人間への厳しい視線が感じられます。
畳みかけが凄い。
ここ、ただのカラフルな、楽しい映画で終わらず、名作にまで評価される所以はここの厳しさだ。
エドワードはみんなから化け物扱いされて、城に戻らざるを得なくなる。
その展開、畳みかけが凄くスムーズで上手い。
ただ愛する者を守りたい、一緒にいたいだけなのに、近づけば傷つけてしまう、エドのジレンマも分かりやすく、上手く表現されています。
その切ない展開の中で、エドワードのキムへの純愛も描かれ、更に切なさを募らせます。
何よりウィノナ・ライダーが美しい。
映画中盤、エドは自分が強盗を行っている事を実は理解していました。
その事を知ったキムはエドに問います。
「何で承知したの?」
「君が頼んだから」
いじらしさを感じるジョニー・デップの表情、その好演が光ります。
そう、この頃のジョニー・デップは美形を売りにしない、個性派の若手俳優の一人として知られていました。
そしてこの映画を豊かにしているのは何処までもエドワードの味方、ペグを演じる名女優ダイアン・ウィーストの存在。
その好演が作品を暖かい雰囲気で包んでいます。
ティム・バートン監督作品はそんなに見ていないんですが、荒唐無稽な設定でしか語れない事がある、そんな事を思わせてくれる監督初期の傑作でした。
他の作品も少しずつ見ていきたいと思います。
でも、私にとってはウィノナ・ライダーが全てだが。
以上です。だから私は感動しました。
ちなみにこの映画の後、ジョニー・デップとウィノナ・ライダーは婚約します。
そしてジョニー・デップは肩に「ウィノナ、フォーエバー」とタトゥー。
その若気の至り、嫌いではありません。
ウィノナ・ライダーは演技派の若手女優として人気になり、大物俳優とも浮名を流します。
ゴッドファーザーⅢの降板が無ければ、女優として更に大成していたと、今でも思う。そしてあの窃盗事件が無ければと。
今も変わらず応援しています。
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