ファーストガンダムの新作となれば見なければいけない。
それは世代の宿命。
「ガンダム! ガンダム!」しか言ってなかった幼少期。
内容はTVシリーズの伝説の回をリメイクした形なので、展開はわかっている。
そのため、今回はシナリオに驚きはほとんど無いです。
ちなみに今でこそ伝説の回と言われているが、当時の子供が見た印象はやたら浮いている「捨て回」だった。
いつだって過去は美化される。
さて、今回の映画化。
全編通して、ああ、こうしたんだな、という感じ。
記事にしなくてもいいかなと思ったのですが、やはり書きたい。
それは世代の宿命。
1000円のGアーマーを求めて隣村まで捜し回った幼少期を裏切れない。
当時、ガンプラを上手く作れる者は神だった。
144分の1のガンダム、目の周りを上手く塗れなくて泣いた子供たちの数は一年戦争で死んだ民間人の数を超えていた。
さて、今回の映画。
短編を膨らませて失敗するパターンは山のようにあるので心配してたんだけど、ファーストガンダムファンが期待するところはちゃんと押さえてます。
良いリメイクでした。
まあ、ガンダムがカッコいいので、それだけで私は満足でしたけど。
何よりザクがむちゃくちゃカッコいい!
そのデザインの素晴らしさを改めて感じます!
しかしそんなファン目線の感想じゃあ、脚本分析の記事にならないので、シナリオで上手いなと思った箇所を書かせていただきます。
ネタバレ度30%
未見でも読み進めて大丈夫です!
粗筋
連邦軍のパイロット、アムロは無人島の偵察に向かう。
そこに現れたのはジオン軍のモビルスーツ、ザク。パイロットはククルス・ドアン。
彼はこの島で戦災孤児たちと共に暮らしていた。
分析
アムロはドアンの島で生活を始めてすぐ、発電機が壊れている事を知ります。
そのため、家屋の灯りは点かず、海辺の灯台も用をなさないという。
なるほど。
ここでメカに強いアムロが発電機を直して、ドアンや子供たちに認められる展開が予想つきます。
TVのオリジナル回では子供たちにずっと石を投げられていたアムロ。
映画版は子供たちとの交流を丁寧に描いていく流れか。
実際、その予想通りに進むんですが、発電機を直して灯台が海を照射する事によって、簡単に敵に見つかってしまう。
良かれと思ってやった事が、自分たちをピンチに追い込んでしまう。いいですね!
このおかげで敵がやってくる流れも非常にテンポよく進み、上手いです。「灯台」。
ちなみに子供たちの中で母親的存在の少女カーラ(TV版ではロラン)とアムロの交流はTV版の方が個人的には好きです。
TV版では青臭く、鼻っ柱の強いアムロはロランに頬を張られます。
うん、冨野監督らしい。
映画版の安彦監督はそうゆうの嫌いなのかな。
アムロもTV版ほどクセが強くない。時代の流れか。
他のお気に入りは、ガンダムで敵パイロットを踏みつけるシーン。
逡巡するアムロを描いているんですが、モビルスーツ同士の戦いで倒すのではなく、「人間を殺している」と感じさせるこのシーン、いいですよ!
そう、これがガンダムなんですよ!
ただのロボット同士のバトルじゃないんですよ!
人間ドラマなんですよ!
当時、子供の私は驚いたんですよ!
クライマックス。
「褐色のサザンクロス」という精鋭部隊を相手に、ドアンとアムロが戦います。
MS同士の迫力バトル。
ここはTVエピソードから膨らませたところですが、劇場映画として盛り上げるためには必須です。
しっかりやってくれて、私は嬉しい!
しかしまさか、ドアンが「赤い彗星か、ククルス・ドアンか」と言われるほどの名パイロットだったとは!
さすがに無理を感じる…。
島に大きな秘密があるという設定も含めて、リメイクとして納得の出来でした。
エンディングの曲を歌っているのが森口博子さんというもガンダムファンは嬉しいところ。
まあ、モビルスーツのバトル祭りを期待するファンはちょっと物足りないかもしれないけど。
TVの回も、幼少期に見た時は「何じゃこりゃ?」と思ったしね。
ちなみに公開二週目のプレゼント。
大切にします。
次はシャリア・ブルのエピソードでお願いします!
以上です。だから私は感動しました。
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