「ブルーバレンタイン(2011)」感想。唯一無二の構成で切なさ200%!

ハ行
引用元 映画.com


あまり恋愛映画は見なくなってきたんだけど、私の好きな恋愛映画ベスト3の一本。

ある男女の出会い、結婚から別れまでを描く。


ネタバレ度30%。
未見の方はDVDか配信で!ネタバレ上等な方はお進みください。
でも読んで見ても大丈夫かな。




非常にリアルで、共感性の高い恋愛映画。

これって脚本も担当したデレク・シアンフランス監督の恋愛経験がかなり入ってるんじゃないかと想像します。
いや、知らんけど。



どこにでもいるカップルのリアルな恋愛映画ってたくさん作られている。

しかし共感性の高いものって簡単には生まれない。
更に傑作になるには、自身の経験を注ぎ込まないといけないように感じる。
脚本家が自身の失恋を怒りに変えて、ペンで書きなぐっているようなイメージ。

その時だけ、脚本家は一生に一度、唯一無二の傑作を書き上げる事ができる。
いや、知らんけど。


「500日のサマー」なんかもその部類。



「恋人たちの予感」のような台詞の上手いラブコメ、「ローマの休日」のような身分の差のような枷を設定したラブストーリーは非常に映画的で、量産できる脚本家はたくさんいる。

そして、脚本の分析としては、「恋人たちの予感」や「ローマの休日」とかを題材にした方が、実があるのは確かだろう。


経験を注ぎ込んだこの手のリアルな恋愛映画って、実はあまり語る事が無い。
観客がエピソードや台詞に共感できるかが大きいから。
逆に技術が目につくと、良さが消える気がする。


ただ、この「ブルー・バレンタイン」は構成が非常に独創的なので、今回記事にしました。

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分析


ある男女の出会い、結婚から別れまでを描く。

これってまあ、普通に書くなら、時の流れ通りに書くと思うんですよ。
脚本家としてはこの二人のキャラをどれだけ魅力的にするかに苦心するところです。


でもね、




この映画は違うんですよ。いきなりネタバレですけど。

出会いから結婚まで。

それと結婚して六年目の夫婦のすれ違い、別れ。


この二つのストーリーが交互に描かれ、進んでいくんですよ!



最初見た時は、何でこんなややこしい構成にしてるんだと思いました。



ところが最後、


結婚して幸せ一杯の二人と、愛しているのに傷つけ合って別れる二人が同時に描かれるんですよ。

切なさ一億倍ですよ!


これは発明だよ! やられたぜ、デレク・シアンフランス監督! あんた最高だよ!


正直、これはもう真似できないわけですが、脚本構成の可能性を感じます。
ちなみに二回目見ると、やはり一回目ほど感動しませんでした。
まあ、飛び道具ですからね。


それでもリアルな恋愛描写はやはり光ります。
テクニックじゃないので、誰がどのシーンに共感するかは多分、人それぞれ。

私はですね、
妻のシンディ(ミシェル・ウイリアムズ)が元カレと偶然会った事を夫(ライアン・ゴズリング)に何気なく言ったら、夫が苛立ち始めるシーンが好きです。
夫をなだめるため、「太ってた」と元カレを悪く言う妻。
コンプレックスのある夫は「何でそんな事を言うんだ?」とさらに怒り出す。


リアル。

ほとんどの人が共感すると思う。私も身に覚えがある。


更に言うと、このシーンの直前、久しぶりに会った時、元カレが妻に言う台詞。

「浮気した事あるか?」

あわよくばやろうとしてますコイツ。


直接誘ってこないところがリアル。


全てのシーンがこんな感じ。
監督、あなたも色々あったんだなと勝手に想像してます。

引用元 映画.com

ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウイリアムズ、夫婦を演じた名優二人の演技ももちろん見どころ。太ったり、髪抜いたり、渾身の熱演です。


以上です。だから私は感動しました。


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