「ゴーン・ガール(2014)」感想。ロザムンド・パイク、あなた以上の悪女はいない!

カ行
引用元 映画.com

今回、分析するのはデヴィッド・フィンチャー監督の代表作の一つ。

この脚本は「すごい」を超えて、もはや「えぐい」ですよ。


ほとんどの脚本家はただただ唖然。
圧倒される二時間半だと思います。


もちろん、私も。

更に主演のロザムンド・パイクの演技は圧巻。
最後はもう得体のしれない怪物にしか見えません。

女優としてこんな役を演じられたら本望でしょう。
最初にオファーを受けて、この脚本を読んだ時は狂喜乱舞したと思います。



ストーリーはもう全く先が読めません。
何一つ予想通りに進まず、軽々と頭上を越えていきます。



この脚本を担当したのは原作小説を書かれた方です。何か納得。
綺麗にまとまっていなくて、何か歪な印象を受けるんですよね。

映画脚本をずっと書いてきた人だと、もっとまとまってるように思います。
ただ、その歪なところがこの作品の魅力です。難しいっす。



ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。


粗筋


一見、幸せに見えるエイミー(ロザムンド・パイク)とニック(ベン・アフレック)の夫婦。

五回目の結婚記念日を迎えようとした朝、エイミーが失踪し、状況は一変する。


分析



妻エイミーの突然の失踪。サスペンスとしてはよくある出だしです。



失踪事件として捜査が開始され、
エイミーは児童書のモデルとして有名なため、マスコミにも取り上げられます。
すると夫、ニックが殺したのではないかとの憶測が広がり、警察も疑惑の目を向けます。

夫のニックは不倫をしていた事もおおやけになり、疑念は増すばかり。

この間にエイミーの視点で二人の出会い、そして幸せな結婚生活が語られます。
サスペンスの緊張感がどんどん増していきます。
見事な演出と演技で上質なサスペンス映画だと嫌でも感じさせる。


観客も夫が殺したのか? なら、死体は何処にあるのか?と考えだします。

はい、ここから少しネタバレします。
まだ未見の方は急いで鑑賞、そしてここにUターン!

夫ニックの犯行なのか? 死体は何処にある?
観客は考え始めます。



凡庸な脚本家わたしが予想するなら、中盤で妻の死体が発見され、犯人は誰だ?みたいな展開でしょうか。
意外な人物が犯人として浮上する、みたいな。

そんな事を考えていたら、驚きです。


中盤(ミッドポイント)であっさり妻のエイミーが登場します。

そう、全ては妻の企みだったと。

驚きなのは、誰かが捜し回って現れたわけじゃなく、
エイミーがポーンと画面に出てくる事。


え、こんな事ある?


私、そこらのどんでん返しよりよほど驚きました。


夫ニックの犯行なのか、死体はどこなのか、なんて考えていたのが一瞬で吹っ飛びます。
もう何も考えられない!

でも、まあ、あるっちゃあ、ある。このような展開も。

と、気を取り直して、再びスクリーンに集中します。

ていうか、今書いてて思ったんだけど、これをやるなら普通は二幕の直前じゃないのか。
起承転結の「起」の終わり。でも、やっぱり「普通」じゃあ面白くないんだよねー。

そしてここからが「ゴーン・ガール」の真骨頂。
面白くなるのはむしろここから!

妻は夫を殺人犯に仕立て上げるため、様々な細工をしてきた事が明かされます。
この辺のロザムンド・パイク、まじやばい!
とんでもない女ですよ!
しかしお金を奪われて一文無しになったり、逃亡生活は計画通りに進みません。


夫は妻にはめられた事を知り、彼女を見つけて、自分の無罪を明らかにしようと奔走します。
TVに出て身の潔白を訴えたり。
不倫相手が勝手にTVに出たりして、計画が邪魔されたりするのも面白い。


クライマックスに向けて、観客の興味は、さあ、どちらが勝つのか?という点に集約していきます。

妻が逃げ切るのか、夫が見つけるか、さあ、どちらだ!?


はい、驚きです。どちらでもありません。


以下、本気のネタバレ。気をつけて!


所持金を奪われてしまった妻エイミーは昔、自分につきまとった元カレを頼ります。



暫く匿ってもらい、ベッドでは激しく愛し合う。





そして喉をカッターナイフで切りつけ、血だるまにして殺します!



何やねんこれ!

もう、わやや!

そして返り血を浴びたエイミーはそのまま、ニックの元に戻ります。

元カレに連れ去られ、監禁されていたが、隙を見て殺して逃げたというのが彼女のシナリオ。

夫ニックも彼女のシナリオにのり、妻を取り戻して安堵する夫を演じます。


そして二人は仲良く暮らします。困難に打ち勝ち、愛を取り戻したという体で。


演じ合う夫婦。それこそが夫婦。そして映画は終わります。
何一つ、予想通りに進まず。すごいです。えぐいです。


あと、怖っ! エイミー、まじで怖っ!

しかしたまらなく惹かれてしまう。

引用元 映画.com



ロザムンド・パイクの演技はマジで凄いです。
これ以上の悪女はちょっと思いつかない。


デヴィッド・フィンチャー監督作品って映像美が話題になるけど、何気にテーマが深い。
一級のエンタメ作品なのにいつも文学的な匂いがしますね。
「ファイトクラブ」「ソーシャルネットワーク」とか。好きだわ。


以上です。だから私は感動しました。


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