「エルヴィス(2022)」感想。腰振って歌えばモテるって本当ですか!

ア行
引用元 映画.com

「ロックの帝王」、エルヴィス・プレスリーの伝記映画。

若い人は知らないだろうけど、ロックを作った人の一人とされています。
目を引くギンギラ衣装ともみあげがチャームポイント。


結論から言うと、ロックの偉人を題材にした映画では「ボヘミアン・ラプソディ」以来の傑作です。
「ロケットマン」には触れないであげて。

上映時間は160分近い長尺だけど、音楽の素晴らしさもあって全く飽きません。




ネタバレ度50%
エルヴィスが売れて死亡するまでを描いているんだけど、その流れはある程度みんな知ってるよね。
読んでから見ても大丈夫だと思う!

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分析

ロックは黒人音楽から生まれました。

基本はR&Bとされています。



この時代背景で、ロックを広めたエルヴィスを描く以上、人種問題は少なからず出てくる。

腰を振るパフォーマンスも大人たちの怒りを買って何かと弾圧される。

映画前半はエルヴィスがこの人種問題や表現規制と戦いながら売れていくドラマが中心。

個人的にはここが一番面白かった。

そう、やっぱりロックというのは反体制。

これこそロックンロールだ!と思わずにはいられない。

エルビスを演じたオースティン・バトラーも色気むんむんではまってる!

引用元 映画.com


かくいう私も学生時代から聴き続けているロックオヤジ。

若い時は大人たちの理不尽に傷つき、怒り狂い、唾を吐いていた。

エルヴィスの戦いを見ていると、そんな熱い気持ちを思い出させてくれる。

気付くと今はひたすら長いものに巻かれ、陰口だけ叩き、風呂上がりのビールだけが楽しみの生活。


あの頃見た未来に私は立っていない。

もう一度、若者たちを食い物にする腐った大人たちと戦わなくてはいけない!
そんな気持ちになったよ、ありがとう、エルヴィス。

その腐った大人こそお前だと言う若者たちの視線はあえて逸らそう。



戯言が過ぎた。
映画に話を戻そう。

映画前半に描かれるアメリカ現代史とエルヴィスのリンクが興味深い。

エルヴィスが亡くなった折、カーター大統領が「エルヴィスはアメリカの一部」とコメントしてたけど、キング牧師やロバート・ケネディの暗殺も扱って、エルヴィスとその時代性を表現している。

上にも書いたけど、日本人にはわかりにくいところ、黒人と白人の隔離政策とかもちゃんと描いている。

伝記ものでここまで世界観を広げるのは珍しく、それがこの作品に奥行きを与えている。
実際、製作段階でカットしろって言う人もいたと思うよ。

しっかりと残した脚本家、監督にありがとうと言いたい。

昨日見たテニスのウィリアムズ姉妹を題材にした「ドリームプラン」。
人種差別もテーマにあるのに、その辺が緩く、物足りなかった。

おかげでモヤモヤが晴れたよ!





映画の後半は悪名高きマネージャー、トム・パーカー大佐とエルヴィスの確執が中心。

気付けばトム・パーカーが主役じゃないのかというぐらい存在感を増してくる。

まあ、だからこそのトム・ハンクスなんだろうけど。

でもこのマネージャーも天才なのは間違いなく、現在のショービジネスや物販を作った人とも言われているみたい。
その代わり、エルヴィスの報酬を半分奪い、全てギャンブルで溶かすというやばい面も。


更にはアメリカ人でもなく、名前もトム・パーカーでもなく、大佐でもないというとんでもない事実が明かされる。


引用元 映画.com

ほんとにそんな人いたのかよ、映画としては最高だよトム・パーカー!

やっぱり伝記ものするならこれぐらいの悪人と言うか、やばい人物が出てきてほしいわけですよ。



昨日見た「ドリームプラン」は出てくる人みんないい人ばかりで、それが逆に胡散臭かった。
良い映画だったけど。
アカデミー授賞式でビンタという斜め上過ぎるオチがあったけど。


もしかしたらクリス・ロックを授賞式でビンタするためにウィリアムズ姉妹を育てたんじゃないのか、ウィル・スミスは?

と思うほど、今や映画と現実がごっちゃになっている。


ちなみに「愛する者のために闘え」と教えられてきた週刊ジャンプ黄金世代の私は、マスコミからフルボッコされているウィル・スミスを見て複雑な気分になった。

いや、もちろん暴力はだめなのはわかってる!

マミヤのために命をかけたレイ、君はどう思う?





戯言が過ぎた。
映画に話を戻そう。

このトム・パーカーのキャラのおかげで後半も楽しく見れました。

ちなみに演じたトム・ハンクスは「フォレスト・ガンプ」でエルヴィスにインスピレーションを与えたフォレストを演じました。
何故かエルヴィスあるところにトム・ハンクスあり。




そして大佐によって奴隷のように歌い続けるしかなくなるエルヴィス。


「両足を失った鳥は地上に下りられず、飛び続けるしかない」という言葉と共に、立てなくなるくらいにぶくぶく太り、クスリ漬け。

こうなると「ボヘミアン・ラプソディ」のように盛り上がるラストは期待できない。

どうやって終わるんだろうと思って不安だったんですが、素敵なラストでした。


もう一度言います。

ロックの偉人を題材にした映画としては「ボヘミアン・ラプソディ」以来の傑作です。


やっぱり伝記ものはその人物が亡くなってないと、思い切って描けないのかもしれんな。




以上です。だから私は感動しました。


そういえば「ラブ・ミー・テンダー」流れなかった。


あと、これ見て思ったんだけど、細木数子と島倉千代子やれるね。
大佐よりえぐいと思うよ。
完成したら面白そう!

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