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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)」感想。ラストに込めたタランティーノの願いが泣ける!

ワ行
引用元 映画.COM
2024.06.182025.10.04

映画公開時に見て以来だけど、やはりタランティーノの奇才ぶりが光る。


レオ様とブラピのW主演も嬉しい、映画ファン垂涎の映画です。



ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。

  1. 分析
  2. おすすめレオナルド・ディカプリオ出演作品
  3. おすすめブラッド・ピット出演作品
  4. おすすめタランティーノ監督作品

分析


ハリウッドの内幕物をやりたかったのか、シャロン・テート殺害事件をやりたかったのか、どちらが先なのかはわからないけど、この二つを融合させてる事にタランティーノの奇才を感じる。


普通、この二つを一緒にやろうなんて思わないよ。



そして見事に個性的な、面白い作品に仕上げてる事に驚く。

脚本なんて、思い付いたシーンをただ適当に書いただけの様に見えるのに(もちろん、そうではない)。



ちなみに知らない方もいるかもしれないので補足すると、シャロン・テート殺害事件とは、カルト集団によって当時新進女優だった彼女が人違いで殺害された事件を指します。

彼女はロマン・ポランスキー監督の妻で新婚、殺害された時には妊娠八ヶ月でした。

ロマン・ポランスキーは当時、「ローズマリーの赤ちゃん」の大ヒットを受けて時代の寵児となっており、事件後も「チャイナタウン」「戦場のピアニスト」等の名作を撮っている巨匠です。

ただ、女児への淫行、虐待、暴行などスキャンダルが多く、批判される事も多い人です。






映画の舞台は1969年。

落ちぶれたスターを演じるレオ様が主人公。

彼は今やテレビで悪役を演じるだけ。
イタリア映画の西部劇への出演依頼を受けて、俺のキャリアは終わったと泣きだす。


ここ、レオ様が泣き虫というキャラ設定がまず面白い。



撮影では子役の少女に俳優としての心構えを説かれ、台詞をとちっては自己嫌悪で泣きだすという愛さずにはいられないキャラを楽しそうに演じてます。




タランティーノ作品の魅力って、まず役者陣がみんな楽しそうなんだよね。

それはやはりキャラ設定の抜群の面白さ、絶妙なキャスティング、そして役者と監督のお互いの信頼関係だろう。



このレオ様がロマン・ポランスキーとシャロン・テートのお隣さんという設定で、ハリウッド内幕物と殺人事件をくっつけています。

何という力業だろう、普通の作家がやればテーマがぼやけてまず失敗するだろう。

実際、この映画も散漫な印象はあるけども。





レオ様のスタントマンを演じているのがブラピです。

女房を殺したと噂される、何処か影のある男。


レオ様に献身的に尽くす姿、そしてブルース・リーとの対決など、見せ場も多くて良い役です。






そしてシャロン・テートを演じるのはマーゴット・ロビー。

出番は少ないながら、強い印象を残すのはさすが。

自分の出演映画を見に行って、客の反応にドキドキしているマーゴットはまさにキュートの一言。


この映画はシャロン・テート殺害事件を扱っているというのは大きくアナウンスされているので、こんな可愛い彼女がいずれ惨殺されるのかと、映画を見ながら胸を締め付けられます。






そして映画は二時間近く、レオ様とブラピの生活ぶりを淡々と描いていく。

大層な事件は起こらないんですよ、スター二人の存在感で飽きずに見られるけど、やはり散漫な印象はあります。



それでも60年代を完璧に表現したセット、そして音楽は心地良く、何よりスティーブ・マックィーンやブルース・リーが出てくるとやはり映画ファンはテンションが上がる。それは否めない。


いや、若い映画ファンの方だと、知らない人も結構いるのかな。


売れていない頃のブルース・リーはハリウッドスターたちに武術を教えていました。
その中にはロマン・ポランスキーやシャロン・テートもいたんだけど、この辺りはやはり知らない人の方が多いだろう。


スティーブ・マックィーンは「大脱走」「タワーリング・インフェルノ」などの名作で知られる大スターです。
ごつごつした男臭い顔が魅力で、現代ではいないタイプの役者さんで私も大好き。



「マカロニウエスタン」なんて言葉も劇中出てくるけど、知らない人には意味不明だろう(※イタリア製の西部劇の事です)。



その点で、映画ファンの中でも世代によって好き嫌いは大きく分かれる気がします。


そもそも、題材であるシャロン・テート殺害事件を知っているかどうかでも全く印象が違うだろう。


そのため、1969年にシャロン・テートという女優がカルト集団に殺されたという事実だけは知って見た方がいいのかなと思う。




映画は二時間近く、レオ様を主役にしたハリウッド内幕物なんですが、クライマックスは一転、シャロン・テート殺人事件を描きます。


このいよいよ感、その盛り上げ方、徐々に増していく緊張感はさすがタランティーノ。

一体どれほど凄惨な殺人シーンを見せられるのかとドキドキしていると、驚きました。




カルト集団はレオ様の家に襲撃に入ります。




シャロン・テートの家に襲撃に向かうつもりだったのが、酔ったレオ様がこのヒッピーたちを見つけて怒鳴り散らしたため、彼らは標的を変えるというIFの世界が展開されます。


そしてそのヒッピートリオとブラピ、レオ様の戦い、そのバイオレンスはこれまたさすがのタランティーノ。


凄惨な暴力描写と同時に、独特のユーモアを交え、文句なしの面白さです。




そしてカルト集団のヒッピー三人を見事に返り討ち。

シャロン・テートは殺される事無く、未来を生きていきます。





ここはてっきり凄惨な史実をなぞると思っていただけに、気持ち良く裏切られました。



まるでどんでん返しを食らったかのよう。

こんな作劇もあるのかと、唸りました。

脚本は切り口が大事と言われるけど、その帰結まで含めてこんなの誰も考えない。凄いよ。



このラストに見る、タランティーノのロマンティストぶりが泣ける。

これこそが彼の願いなのでしょう。




久しぶりに「あー、タランティーノってやっぱり凄いな」と感じた瞬間でした。



以上です。だから私は感動しました。





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