「いまを生きる(1989)」感想。ロビン・ウィリアムズ先生、私はこたつに乗りました!

ア行
引用元 映画.com

アカデミー脚本賞受賞作品。

久しぶりに見たけど、やはり。
美しい映画です。

これほど美しい映画は他に無い(異論反論認めます)。

青春映画の最高峰だろう。


ネタバレ度90%。
未見の方はDVDか配信で!ネタバレ上等な方はお進みください。
ラストシーンの美しさが素晴らしいです。



この記事を書いている2023年12月現在、アマゾンプライムでは見放題配信されています。

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粗筋


英語教師キーティングは生徒たちに個性を求め、破天荒な授業を繰り返す。
最初は戸惑う生徒たちだったが、徐々にキーティングを慕っていく。

そして悲劇が起こる。


分析

前半は英語教師キーティング(ロビン・ウィリアムズ)の破天荒な授業が丁寧に描かれます。
教科書を破らせたり、机の上に立たせて違う視点を求め(←これ大事)、「いまを生きろ」と鼓舞します。


キーティングに感化されていく生徒たち。
彼らはキーティングが学生時代に行っていた「死せる詩人の会」(原題)を復活させます。

これはみんなで夜、寮を抜け出して、秘密の洞窟で詩を読み合うというもの。
ちなみに男子校なので、会はもちろん、男子ばかりです。


個人的には初見の時、「詩を読み合う? 何やねんそれ、そんな高校生いるか?」とは思いましたが、まあ、そこは映画なのでいいでしょう。


当然、会では煙草や酒、ヌード写真などが持ち込まれます。
この点、青春映画では必須アイテム。



キーティングの授業、生徒たちの友情が描かれていく前半。
丁寧に描かれているので結構長い。

そろそろ変化が欲しいなと感じていたところで、会のメンバー、チャーリーが共学にするよう訴えて、校長に叱責されます(開始75分)。

ここから作品の雰囲気が変わります。
反体制ですね。ミッドポイント。



以下、ネタバレになります。



会の中心メンバー、ニールはずっと役者になりたいという夢を抱いており、オーディションで念願の主役の座をゲット。

それを知った堅物の父親は役を降板するよう、言い渡します。

ニールはキーティングに相談します。
彼は父親と話し合うよう助言します。それ以外に無いと。

そして舞台前日、キーティングはニールに父親と話し合ったか、尋ねます。
ニールは笑顔で「父親は渋々ながら納得してくれた」と答えます。
キーティングはニールが本当の事を言っているのか疑いますが、強く尋ねる事はしません。


観客もニールが本当の事を言っているとは思いません。

ここでニールが嘘を言っているというのが大事! 

おかげで観客はニールに同情してどっぷり感情移入ですよ!


そしてニールは舞台に出演し、スタンディングオベーションの大成功。
ところがこの舞台に、出張で見に来る事は無いと思っていた父親が来場します。


ここ、スタンディングオベーションを見て、父親が納得し、今後は息子を応援するという流れもありますね。
TVドラマの熱血教師ものとかだとその流れです。




もちろん、この映画は違います。





父親は「くだらない」と言い放ち、ニールを士官学校に編入させると宣言します。
「お前は医者になるんだ」と。


絶望したニールはその夜、父親の拳銃で自殺します。


この辺り、非常に丁寧に、繊細に描かれます。
クライマックスに向けて、ストーリーを加速させる大事なエピソードだから当然なんだけど。


クライマックスに向けて「死」を扱うのは、映画ではかなり定石。
状況を大きく変化させる、キャラクターたちの気持ちを鼓舞する、色々と効果的なんでしょう。
ここを自然な流れで描けるか、とても重要なんだけど、この映画は当然ばっちり!


余談ですが、TVドラマの二時間サスペンスではミッドポイントで一人殺すのが定石らしい(誰に教えられたかは思い出せない)。


そしてクライマックス。
学校側は生徒の自殺、このスキャンダルを何とか鎮めようと、スケープゴートにキーティングを指名します。
彼がニールを煽ったんだと。


そして校長は「死せる詩人の会」メンバーに、キーティングがニールを煽ったと証言させます。
証言しなければ退学だと。


ここで会のメンバーでキーティングを売る生徒と、拒否する生徒で分かれ、対立します。

青春映画好きとしてはたまりませんね、この展開。
大人たちの保身に振り回される生徒たち、青春映画の魅力爆発ですよ!


そして結局、彼らはみんな、校長の言われるまま、キーティングに全ての罪を押し付けます。

そして、この映画を名作たらしめた感動のラストシーンです。


キーティングの代わりに校長が授業をします。

そこへ、私物を取りに現れるキーティング。
生徒たちみんな、顔を伏せます。
合わせる顔がありません。

荷を取り、教室を去ろうとするキーティング。


たまらず、「違うんです!」と叫んでしまうトッド(イーサン・ホークね、今まで大人しく、引っ込み思案だった生徒!)


その瞬間、「口を開けば退学だ!」と恫喝する校長。


それならばと、机の上に立つトッド!

感化されて次々と立ち上がる生徒たち!

中にはキーティングの授業で冷ややかに反応してた生徒の姿も! 最高!


そしてこのシーンで大事なのは、机に立たない生徒もいるという事。
その中には「死せる詩人の会」のメンバーもいます。てめえ、この野郎。

しかし思います、彼らは彼らで信念を通したのだと。最高!


キーティングは微笑み、教室を去ります。








いい。







映像だけでどれだけの感情を語ったのか。
これほど雄弁な、美しいラストシーンを私は知らない(異論反論認めません)。

このラストシーンがあるかないかでこの映画の評価も大分違うんじゃないでしょうか。
良作から名作に格上げされた瞬間です。

ここでこのシーン以上のものは無いと思わせる脚本。


泣かせるドラマならここで全員立ってます。
座っている生徒たちの気持ちまで考えさせられます。
半々ぐらいのバランスもいい!




今回見終わった後、感動のあまり、私も炬燵の上に立ちました。
メリッといったので、すぐ下りましたけど。



以上です。だから私は感動しました。


映像もストーリーも美しい映画でした。見る度に思う。

「いまを生きろ」と教えてくれたロビン・ウィリアムズ、あなたはもういない。


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