「ベスト・キッド(1984)」感想。男子の夢、理想がここにある!

ハ行
引用元 ムービープラス

空手の練習法、そのぶっとんだアイデアに驚喜した大ヒット作。

当時、男子の誰もが教室の窓ふきで同じ動きをしたはずだ。



今見ると、単純な空手映画ではなく、青春映画として出色の出来。

新作がこの夏公開されるけど、シリーズ化されたのもこの傑作があればこそ。



ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。

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分析

一見、アクション映画かなと思うが、少年の恋、友情、成長を巧みに描いた青春映画の傑作です。



いじめられっ子が強くなっていじめっ子たちを倒すという王道のプロットながら、そこで描かれる人間ドラマの豊潤さはさすが「ロッキー」のジョン・G・アヴィルドセン監督。


とにかく「ロッキー」同様、主人公への共感性が抜群に高いです。




主人公のダニエル(ラルフ・マッチオ)は母親と二人、ニュージャージーからカリフォルニアへ引っ越してくる。


近所の同級生に、空手を習っているとイキるんですが、実は通信講座。



そして学園のイケてる女子アリ(エリザベス・シュー)と仲良くなるんですが、空手の使い手である元カレ、ジョニーとその仲間たちに絡まれ、イキった結果、ボコボコにされます。


そのあまりの弱さに友人たちはドン引き。


アリは変わらず優しいが、その後もジョニーから逃げ回っているダニエルを見て、「立ち向かえ」と発破をかけてくる。



デビューを狙った新たな学園生活もすっかり地獄。この完璧なセットアップに30分。



ダニエルには共感しかありません。男子はイキってなんぼですからね。




その中でさすがジョン・G・アヴィルドセン監督だなと感心したカットがあります。

憧れのアリを見つけて声をかける直前、自分の脇の匂いを確認するダニエル、その一瞬のカット。


何というディテールだ。

そんな青春映画、こんな主人公いるか、と強く言いたい。




そして「立ち向かえ」と言われたダニエルは、ジョニーがトイレにこもっているのを知り、こっそりとその上からホースで冷水を浴びせます。






違う、そうじゃないぞ、ダニエル。







結果、ダニエルの仕業だと秒でばれて、ジョニーと仲間たちに袋叩きにあいます。

再起不能にされるんじゃないかというところへ、空手の使い手であるアパートの管理人ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)に助けられる。



その後、ミヤギの弟子となったダニエルは少年カラテ大会に出場して、ジョニー属する「コブラ会」と対決する事に。


いいですね、この胸アツ展開。全男子が涎を垂らしている姿が見えるようです。




ここからミヤギの指導による、ダニエルの特訓が始まります。


どんな過酷な特訓が始まるのかと思いきや、車のワックス塗り、床磨き、壁のペンキ塗りを永遠とやらされる。



数日こき使われ、いい加減、空手を教えてくれとダニエルは吠える。


「既に教えている」と答えるミヤギ。



そこで今までの雑用が、全て空手の受けの練習になっていた事を知るダニエル。





もはや漫画です。


この展開、男子の大好物なのは言わずもがな。

掃除の時間、同じ動きを教室で繰り返したのも良い思い出です。





そして空手の特訓をしながら、アリとの恋も同時進行なのが、ただの格闘映画ではないところ。

しかもその恋愛パートの出来が素晴らしい。

カースト下位の少年が、美少女に恋をする高揚感、そして同時に抱く劣等感や嫉妬をしっかりと描いています。


中でも実家の貧富の差もその要素に加えているのが良い。

そこでダニエルの恋を応援する母親、その前向きなキャラクターがとても良い味を出している。




と同時に、ミヤギが妻子を亡くした辛い過去も挿入し、作品に奥行きを与えているのも流石。

ジョン・G・アヴィルドセン、その演出、抜かり無し。




大会に向けて特訓も追い込みに入るんですが、この頃には勝敗を超えて、自己の鍛錬にまで意識が向いているダニエルの成長が眩しい。


「何故練習をするんだ?」というミヤギの問いに、「戦わずにすむため」と答えるダニエル。



いいですね、勝敗を超えた、その先にテーマを見つけるのはジョン・G・アヴィルドセン節ですよ!


クライマックスのカラテ大会、そこでのコブラ会との対決はもう最高。

その中でもコブラ会を率いる師匠、ジョンのキャラクターがザ・悪役で見事。

勝ちあがってくるダニエルを見て、生徒たちに反則してでも潰す事を命令。



準決勝ではコブラ会の選手がダニエルの足を見事に破壊。


しかし不屈の闘志で決勝の舞台に出てくるダニエル。



決勝でダニエルと戦うジョニーは、師匠の指示を受けて、痛めているダニエルの膝を掴んでエルボースタンプ!



もはやプロレス。空手ではない。




絶体絶命のダニエル。そこで見せたのは練習で全く会得できなかった、片足で立つ、ミヤギ曰く「必勝」とされる、鶴の構え。

全く強そうに見えないが。



そこで繰り出す蹴りで逆転勝利を掴みます。



もう観客の盛り上がりは最高潮ですよ!


そしてよく見ると、ダニエルに笑顔で優勝トロフィーを渡しているのは決勝の相手であり、恋敵のジョニーです。最高です。切り替え速いな!



ああ、男子の望むもの、全てが詰まっている。




ジャッキー・チェンも出演する最新作、楽しみですね。



以上です。だから私は感動しました。

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