当時、歴代ナンバー1のヒット作となったスピルバーグ監督の代表作の一つです。
スピルバーグは今でも素晴らしい映画を撮るけど、やはり80、90年代の全盛期は神がかってます。
そしてこの作品と同年に公開されたのがあの「シンドラーのリスト」ですよ。
歴代ナンバー1ヒット作とアカデミー作品賞受賞作を同年に公開する監督なんて前代未聞。
映画史的にも伝説的な偉業と言えます。もはや神。
その圧倒的な演出力においては、この映画の冒頭三分を見ればその天才ぶりがわかります。
今見ても凄い。
以下、ネタバレ含みます。
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
分析
原作は当時売れっ子小説家のマイケル・クライトン。脚本にも参加しています。
この映画、スピルバーグの演出はもちろんの事、その脚本にも注目したい。
恐竜が現代に現れる、その設定における説得力はやはりクライトン、抜かり無し。
そして恐竜パークの安全性を調べるためにサム・ニールやローラ・ダーンら博士たちが呼ばれるんですが、そこに加えてパーク責任者リチャード・アッテンボローの孫である子供二人も参加するのがミソ。
子供視点が加わる事で冒険感が増し、更にワクワクとピンチの折の緊張感を高める事に成功しています。
まあ、スピルバーグ映画に子供が出れば鉄板なんですよ。
映画前半は恐竜パークを見て回る学者と子供たちを中心に進みます。
この前半でそれほど恐竜をがっつり見せないのが上手いです。

恐竜が孵化するシーンなどで可愛らしさを見せつつ、次に恐竜に餌をやるシーンでその獰猛さを見せる。
ここで恐竜の姿を見せない演出が心憎い。恐怖心を植え付けてくる演出、流石です。
こんな撮り方する監督、他にいないよ!
見学できる場に行っても恐竜がなかなか現れなかったり、そうかと思うと、大人しい恐竜に直に触れたりして感動するシーンなど、普通に恐竜と遊んだりするシーンを描かない事に驚きです。
普通の監督ならまずこの前半で恐竜の背に乗ったりしてはしゃぐシーンを入れてます。
そういった誰もが思いつくような事をやらず、工夫するんですよ、この頃のスピルバーグは。流石です。
そして映画は中盤、暴風雨が近づいてくるという鉄板の流れ。
そこに従業員のネドリーの悪だくみが絡み、恐竜パークが機能停止に陥るというのがこの映画のミッドポイントです。
もう観客は待ってましたですよ。
そして学者たちと子供二人が乗る車がティラノサウルスに襲われるという口あんぐり、ド迫力の展開が本当に素晴らしい。
ここで今まで散々焦らしてきたものを一気に解放、恐竜の王者、ティラノサウルスですよ!
このシーンのスリルはもはや映画の枠を超えてます。
30年以上経った今見ても凄い。
マジで神。

当時、映画館で見た人は震え上がったんじゃないでしょうか。
そして違う場所でネドリーも恐竜に襲われるんですが、ここはティラノサウルスとは違った襲われ方で魅せてくれます。面白い。
そしてティラノサウルスが去った後、サム・ニールが木の上にある車から男の子を救うんですが、ここもしっかりとサスペンス演出で魅せるスピルバーグ、抜かり無し。
更に電流フェンスのサスペンスでも私たちをドキドキさせて、恐竜以外でも盛り上げてくれます。
そう、恐竜だけじゃないんですよ!
このあたりのアイデア、脚本が本当に素晴らしいです。
おかげで息もつかせぬ展開になっており、こうなるとスピルバーグも腕の見せ所となって、観客は釘付けですよ。
そしてクライマックス、恐竜に襲われながらも子供たちの活躍もあって見事にパークのシステムが復旧。ヘリで脱出するというパーフェクトな流れです。
映画序盤では子供嫌いだったサム・ニールが、脱出するヘリの中では子供二人を脇に抱え、優しい笑みを浮かべているというちょっとした感動も添えられて全くもって隙が無い。
見事だ。
見事過ぎる。
スピルバーグ絶頂期の演出が随所に冴えわたる。
恐竜が近づいてくるシーン、その姿を簡単にカメラで撮らず、音やコップの水が揺れる画で表現しているのが出色過ぎて溜息が出る。
そう、サスペンスを盛り上げる画作りが本当に素晴らしい。
ヒッチコックか、スピルバーグかというレベルですよ。
以上です。だから私は感動しました。
あとですね、この「ジュラシック・パーク」の編集や仕上げの作業は、「シンドラーのリスト」の撮影の合間に行っていたとか。
本人は二重人格のようだったと話していたらしいですが、凄すぎる。
やはり神。
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