「泣ける」という前情報が多すぎて、男子は見るのがちょっと恥ずかしいと感じる恋愛映画。
これと「タイタニック」ね。
しかしこの作品、さりげなくアカデミー脚本賞を受賞しており、シナリオは神レベル。
久しぶりに見直してみたら、食い入るように見入ってしまった。
以前、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を完璧な映画と評したけど、この作品はほぼ双璧。
そう言うと、笑う人もいるかもしれませんが、マジです。
ラストは気持ちよく泣かされます。
鼻水まで出ます。
女子は注意!
ネタバレ度90%
未見の方はDVDか配信で! ネタバレ上等な方はお進みください。
この記事を書いている2023年11月現在、U-NEXTでは見放題配信されています。
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粗筋
サム(パトリック・スウェイジ)が暴漢に襲われて死亡する。
しかしこの暴漢、はなからサムを狙っていたらしく、何か理由があるようだ。
次はサムの恋人のモリ―(デミ・ムーア)が狙われる。
サムはゴーストとなってモリ―を守る!
分析
恋愛映画とされているが、実はこの作品、サスペンス映画。
サムを殺した犯人探し、その謎に迫るという構成になっています。
冒頭はサムとモリ―の恋人関係が描かれます。
サムは普段、「愛してる」と口にしない。
いつも「同じく」と答えている。
それがモリ―は不満。
こんな感じの普通のカップルです。
この序盤で、かの有名な陶芸シーンがあります。
官能的なラブシーンですが、恐ろしくイヤらしい。
スタッフも狙って男性器を意識したらしく、名曲が流れて美しいシーンに見えるが、やってる事はなかなか下品。
でも強烈に印象に残る。
この時点で勝ちだ。
更に「触れられない」という事がこの作品ではかなり大きな要素。
冒頭でいやらしく触れ合っているこのシーンは象徴的で、感動のラストにも効いてきます。
そしてサムが強盗に撃たれるのが映画開始20分。
強盗と揉み合って銃声。
その直後、強盗を追いかけるサムが映る。
強盗に逃げられてモリ―の元に戻ってくると、地面に倒れている自分が見える。
自分が死んでいる。
この瞬間、サムと一緒に観客も驚かされるという演出。
ここ、作品に無理矢理引きずり込まれます。上手い。
その後、幽霊の先輩が死後の世界を教えてくれる。
そして開始30分過ぎ。
サムの部屋にやってくる強盗。
これでただの強盗ではなく、サムは狙われて死んだ事がわかる。
モリ―が外から部屋に戻ってきて、強盗が物陰に隠れる。
モリ―のピンチだが、幽霊のため、何もできないサム。
だが猫だけはサムの気配を感じている。
猫を脅かす事で強盗を部屋から追い出す。
ここ、モリ―のピンチというサスペンスの中で、幽霊の特性とサムの死の謎まで提起する高等テクニック。
ここまでスマートにはなかなかできません。
サムは何故殺されたのか?
この謎がストーリーの中心になり、完全にサスペンス映画のフォーマットで進んでいく。
そしてサムの声が聞こえる霊媒師、オダ・メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)が登場。
サムはオダ・メイを介して、モリ―に危険を知らせる。
モリ―はサムの友人カールに強盗の名前と住所を伝える。
カールは調べに強盗のアパートへ向かう。
当然、サムもついていく。
「カール、気をつけろ」と呟くサム。
ここで観客はカールも殺されるかも?とドキドキです。
ところが驚きの事実が発覚。
カールと強盗は顔見知り。
カールこそ、サムの殺害を指示した張本人だとわかる。
ここが映画のちょうど真ん中です。
完璧だ。完璧な構成だ!
ここからは狙われたモリ―をどう守るか、そしてカールの悪事をどう明らかにするかという展開になっていくんですが。
すいません。
面白すぎて、シナリオの分析どころじゃなくなりました!
モリ―のピンチ、このクライマックスのハラハラドキドキから号泣のラストシーンまでもはや息もつけません!
当然、シナリオは後半も神レベル!
みんな、各自で確認してくれ!
ラストシーンの美しさは至高。
モリ―にサムの声が聞こえるという奇跡が起きる。
ここ、何でサムの声が聞こえたかわかる?
愛だよ(どや顔で)。
二人の別れが迫る。
サムが言う。「愛してる」と。
モリ―が答える。「同じく」と。
冒頭の二人のやり取りを受けての、この台詞の返し。
どうよ?(どや顔で)
ええ、完全にはまりましたよ。
以上です。だから私は感動しました。
この作品、善人と悪人で死んだらどう違うのか、描いているのもポイント。
子供の教育にもいいんじゃない?
ていうか、見せようよ。
全世界、全ての子供に。
ちなみにデミ・ムーアの涙、その美しさは国宝級です。
この作品でスターになりましたが、以降は坊主になってアサルトライフルを撃ちまくったり、気に入った男に「戻って私を抱きなさい!」と恫喝したり。
更には整形、豊胸と。どうしてこうなった。
この美しい涙が見れるのはこの作品だけです。
その意味でも国宝級。
こっちも全ての涙を搾り取られます。ご覚悟を。
鼻水まで出ます。
見終わって鏡を見ました。
どえらいブスでしたよ。
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