笑えて泣ける青春映画。
コミックが原作のせいか、非常にキャラが立っている。
主要キャラを演じるソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーブ・ブシェミのアンサンブルが最高すぎる。
また、十代の女の子が主人公なのに、恋愛要素が全く無いのも珍しい。
ネタバレ度30%
未見の方はDVDで! ネタバレ上等な方はお進みください。
この記事を書いている2022年9月現在、動画配信はありません。
DVDで観賞したい方は私も利用している宅配レンタルがお勧めです。
分析
キャラの立った作品で、ストーリーはほとんど無い。
主要キャラ三人の距離感の微妙な変化がリアルで、そこが見所。
主人公のイーニド役を演じるソーラ・バーチははまり役。
とにかく皮肉屋で、反抗的。
誰も彼もがバカに見えるが、一人ではいられない。
このたえず苛立っているような、ヒリヒリする感じがいい。
彼女の一挙手一投足を見ていく映画なのだが、魅力に溢れていて全く飽きません。
そして親友のレベッカ役のスカーレット・ヨハンソン。
いつも一緒に行動していたのに、彼女は真面目に働きだし、社会に適応していく。
気付けばイーニドを説教する事も増えていく。
そのためにイーニドとの距離が微妙に開いていくんだけど、この表現が既に上手い。
まだ彼女が大スターになる以前の出演作だけど、さすがの存在感と美貌を見せている。
そして何よりこの作品に深みを与えているのはシーモア役のスティーブ・ブシェミ。
なかなか特異なキャラで、自宅に電話がかかってきても出ない。
その理由を尋ねられて、「僕に電話をかけてくるような奴とは話したくない」と答えるのが最高。
これだけでキャラ付けはほぼ終了している。
オタク気質で孤高の存在かと思いきや、女性との出会いを求めている。
そしてイーニドに振り回され、関係を持つと執着するその様子は中年の悲哀が表現され過ぎていて切ない。
青春映画でこのシーモアのようなキャラがいると、作品が一気に多面的になる。
これはその成功例。
とにかくこの作品に関してはストーリーは関係無い。
この三人を眺め、その関係性、距離感の変化を楽しめばそれでいい。
それほど話題にならないけど、青春映画として出色の出来で、ファンも多い。
今はDVDは廃盤になっているんだけど、ブルーレイ化を希望します。
以上です。だから私は感動しました。
初見の時はイーニドの苛立ちや寂しさに共感したけど、今や私もシーモア。
当時は可哀想な中年に見えたけど、ソーラ・バーチが友達なんだから羨ましい。
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