「モダン・タイムス(1936)」感想。機械文明への鋭い風刺、その先見の明に驚かされる!

マ行
引用元 映画.com

公開時、チャップリン46歳。

時代は既にトーキーだったが、頑なにサイレント映画に拘った事で、更に風刺を効かせる事に成功した名作です。


機械文明への批判が高い評価を得ている本作ですが、辛い現実を愛する者と生き抜いていく姿を描いたラブストーリーがど真ん中にあるのがチャップリンならではで、魅力です。


名場面の多さはチャップリン映画でも一番かと。



ネタバレ度70%
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分析


いきなりですが、工場での労働、その流れ作業を批判的に描いた序盤のシーン、その20分に満たないシーンこそが、この映画が名作とされる一番の理由だ。





その完成度は今見ても唸る。




人間性を無視した、ネジをただ締めるだけの流れ作業、秒単位の時間管理、そして労働者を見張る監視カメラ。



これ、数年前の俺じゃないか?と、ネジ以上に私の胸が締めつけられました。




チャップリンはその機械的な労働に慣れ過ぎて、休憩時間になってもネジを締める動きが止まらない。

その動きがどたばた喜劇になっているんですが、本当に面白いです。


大きな歯車に巻き込まれるシーンはその映像の力もあって、インパクト抜群。



とにかく効率、コストを求める経営者。
更には自動飲食マシンも試して、チャップリンを実験台に。

この飲食マシンのシーンも名場面。

チャップリン映画の魅力である風刺、批判精神に溢れています。




この序盤の工場シーンが終わると、ヒロインとのラブストーリーになっていくんですが、ここからはいつものチャップリン映画。


貧しい男女、二人が手を取り合って懸命に生きていく姿が描かれていくんですが、やはり安定感抜群の面白さ。



中でも夜のデパートで、二人がローラースケートで遊ぶシーンは多幸感が感じられて魅力的です。




今回、ヒロインを演じるのはポーレット・ゴダード。

気持ちの強い、逞しいヒロインなのがチャップリン映画としては珍しい。

チャップリン映画のヒロインって盲目の女性とか、守ってあげたくなるようなか弱い印象が強いけど、これも時代の変化だったのかもしれない。


そして彼女の逞しさこそが、映画に前向きな印象を強く抱かせ、この「モダン・タイムス」の魅力にもなっています。


ちなみに彼女、チャップリンの三番目の奥さんです。




そしてクライマックス、チャップリンが初めて肉声を披露した歌唱シーンはとにかく印象的だ。


この歌、「ティティーナ」はチャップリンが作詞作曲しているんですが、その歌詞は造語であり、誰にもわからない。


ラストに流れる有名な「スマイル」も作曲していて、音楽的才能もあるのが本当に恐ろしいです。





ヒロインと二人並んで歩いていくラストシーンは愛を謳うチャップリンならではで、ペーソス溢れる名シーンでした。


以上です。だから私は感動しました。






ちなみにこの映画、序盤の工場シーンはフランス映画の「自由を我等に」から盗作していると後日、製作会社から訴えられます。



「自由を我等に」もまた、映画史に残る名作とされており、以前見た事があるんですが、まあ、盗作と言われても仕方ないかなと思う。

しかし「自由を我等に」の監督、巨匠ルネ・クレールは「もし自分の映画からヒントを得ているなら光栄だ」とコメントしています。




素敵やん。




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