バットマンの新シリーズです。
「ダークナイト」「ジョーカー」が大好きな私としては期待せずにはいられない。
公開時に映画館に行きたかったのだが、三時間の大作と聞いて、ちょっと躊躇した自分がいる。
一作目からそれは気合が入り過ぎている。
絶賛の声もそれほど聞こえてこず、気づけば公開は終わってた。
ネタバレ度50%
未見の方はDVD、配信で!
でも今回は重要なネタバレは一つだけかな。わかって見ても面白いですよ。
粗筋
舞台はゴッサムシティ。
市の要人が次々と殺害される。犯人を追う若きバットマン!
分析
初期バットマンにフォーカスして、アクションよりもサスペンス重視とされる本作。
画面がとにかく暗い。
見るまでの前情報はこれぐらいでした。
見てみるとなるほど、画面が暗い。
作品の売りのバットマンの武器や乗り物、アクションもクリストファー・ノーラン版より地味。
やばい。あまりカッコよく見えない。
何よりその暗い雰囲気を作るためか、無言のシーンが多く、テンポも遅い。
楽しめる人とそうでない人で分かれそうだ。
でもまあ、何か変えなきゃ新シリーズやる意味無いもんね。
その意気たるや良し!
映画冒頭。
電車で不良グループに絡まれるアジア人(ここでアジア人というのがちょっとチクッとくる)。
そのアジア人、不良たちに追いかけられてカツアゲでもされようかってところ。
助けに入ったのが我らがバットマン。
え?
冒頭の登場これ?
ハリウッド映画って普通、ヒーローの登場はもうちょっとかっこいいシーンじゃないの?
手に汗握るカーチェイス!みたいな入りじゃないの?
しかもこのバットマン、その不良たちをやっつけるのも、心なしか苦戦しているように見える。
全く強そうに見えない…。
これは監督の意思表示だろう。
このシリーズの売りはアクションじゃない! この人間臭さを見てくれ!みたいな。
人間臭くてその後の活躍が不安になるレベルだが、ま、まあ、良しとしよう。
他にも若きバットマンを描いているだけあって、気になるシーンがある。
犯行現場に探偵のようにふらりと現れるバットマン。
しかしまだ大して認知されていないため、警官たちはみんな、「誰だこいつ?」状態。
はたから見るとコスプレしたヤバイ奴が犯行現場をうろうろしているだけであり、警官たちも捜査に集中できないというシュール過ぎるシーンがある。
確かに見てても違和感しかない。
ここは笑うところなのか?と一瞬考えてしまうほどだ。
だが大真面目にやっているので、スルーした方がいいのだろう。
しかしこれらのシーンでこの新シリーズを気に入ったのは確か。他の観客が気に入るかどうかは知らんけど。
では構成について。
ゴッサムシティの要人たちが殺され、犯人を追っていくバットマン。
犯人の最後の標的はブルース・ウェイン!となってからストーリーが加速する。
ここがミッドポイントなんだけど、ここまで何と90分。
いや、さすがに長いって!
マフィアの親子、二代のドラマを交互に描いているわけでも、村を襲ってくる野武士と闘う侍を集めているわけじゃないだろう?
ここまでに15分は切ってほしかったわ。
中盤以降はさすがに面白い。
そしてクライマックスに入る前、犯人はあっさり捕まる。
だがこれで終わりじゃないと不敵に笑う犯人。
こいつは一体、何を仕掛けたのか?
この構成は「セブン」と同じですね。
ここで犯人がハッタリを効かせれば効かせるほど面白くなります。
まあ、「セブン」以上の展開はないでしょうけど。
それでも本作のクライマックスの仕掛けはバットマンらしいスケールの大きさで面白かった。
バットマンもやっとヒーローらしい活躍を見せるし。
キャットウーマン(レニー・クラヴィッツの娘さん!)も魅力的だし、納得のシリーズ一作目です。
でもこの勢いなら二作目は四時間ぐらいになりそう。
そこだけは監督もちょっと反省してほしい。
以上です。だから私は感動しました。
コリン・ファレルのペンギンは凄いね。
今後の活躍を期待!
おすすめバットマン映画
○「ダークナイト」
クリストファー・ノーラン監督作品の中でも一番好きです。
非常にストーリーに奥行きがあり、バットマン映画の中でも群を抜いた完成度。